知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

ライオンさんのPROTEC薬用デオドラントボディーソープで臭いを殺菌

 からだ、臭くないですか?

 

 「おめーと違うから、臭いなんか

しねーよ」と言われそうですが。

 

 ということで、本日は、スメルハラ

スメント、略してスメハラの話では

なくて、というか、スメハラ対策の話

です。(「スルメ」ハラスメントでも

臭そうですが)

 

 ライオンさんの特許公開公報

2011-153128「デオドラント組成物」と

いうのを見てみると、

 「近年のエチケット志向の高まりを受け、

体臭に対するデオドラントニーズが高

まっている。」んだそうで。

(若者の間で高まっているんでしょうか?

我々おやじの間で高まっているようには

感じられないのですが)

 

 「一般的に、体臭物質としては、古くから

イソ吉草酸等の低級脂肪酸類、アンモニア

ブチルアミン等の含窒素化合物などが知ら

れていおり、最近では、低級脂肪酸である

3-メチル-2-ヘキセン酸や揮発性ステ

ロイド類であるアンドロステノン、ビニル

ケトン類なども主要な体臭物質であることが

分かってきた。」んだそうですよ。

 

「これらの体臭を減少させるため、各種

制汗デオドラント剤が広く使われているが、

前記体臭物質は主に腋の下に多く存在する

アポクリン汗腺を由来とする物質であるため、

その大半が腋臭に対して有効な処方となっ

ているが、腋臭以外の体臭も本人のみならず

周囲の人にも不快感を与える一因となる。」

んだそうで、腋の下だけでなく、足も臭いし、

そこら中臭い我々オヤジは気をつけないと

いけないですね。

 

 「特に体幹部から発生するアブラくさい

臭気は、腋臭、加齢臭とは明らかに異なる

体臭であり、その消臭防臭を強く要望され

ているが、市販の各種制汗デオドラント剤を

用いても、体幹部のアブラくさい臭気に

対するデオドラント効果は十分でないと

いう課題がある。」んだそうです。

 

「この課題を解決するため、例えば

抗酸化物質を有効成分として含有する

ことを特徴とする男性臭抑制剤が提案

されているが、この提案では、前記抗酸化

物質として、ヤマジソ抽出物、ユーカリ

抽出物、ゴマ抽出物、ローズマリー抽出物、

イチョウ抽出物、クワ抽出物、セージ抽出物、

ワレモコウ抽出物、ドクダミ抽出物、クジン

抽出物、ホップ抽出物、アスコルビン酸

及びトコフェロールから選択される少なく

とも1種であることが好ましい」

 

 しかーし、上の提案では、ライオンさん

発明の「特定の植物エキスが使用されて

おらず、男性臭を効果的に抑制するデオ

ドラント剤であり、体幹部のアブラくさい

臭気に対する消臭防臭を目的とするもの

ではなく、デオドラント効果の持続性も

十分ではないという問題がある。」んです。

 

 「また、(A)ゲンノショウコ、キョウニン、

キウイ、カワラヨモギ、ゼニアオイ、プルーン、

グレープフルーツ、トウキ、ゲンチアナ、

センキュウ、トルメンチラ、セイヨウハッカ、

ニンニク、オランダカラシ、ベニバナ

シナノキ、タイソウ、コメヌカ、テンチャ、

シタン、セイヨウキズタ、ビワ、イザヨイバラ、

トウヒ、エイジツ、ニンジン、ノバラ、クイン

スシード、納豆(納豆も消臭効果があるんで

しょうか!!)から選ばれる少なくとも1種の

植物又は植物由来物の抽出物、(B)スイ

カズラ、セイヨウオトギリソウスギナから

選ばれる少なくとも1種の植物の抽出物、

(C)カキ、セイヨウサンザシ、ボダイジュ、

ローズマリーから選ばれる少なくとも1種の

植物の抽出物、更に(D)抗菌剤を含有する

体臭抑制効果に優れた防臭組成物が提案

されている。」のですが、

しかーし、「この提案には、制汗剤、及び

ライオンさん発明のの特定の植物エキスは

使用されておらず、体幹部のアブラくさい

臭気に対する消臭防臭を目的とするもの

ではなく、デオドラント効果の持続性も

十分ではないという問題がある。」んだ

そうです。

 

 このため、ライオンさん、「 前記課題を

解決するため本発明者らが鋭意(鋭意ですよ!!)

検討を重ねた結果、体幹部から発生する

アブラくさい臭気を、(A)ブドウ種子抽出物、

ベルゲニアリグラダ根抽出物及びクラン

ベリー抽出物から選択される少なくとも

1種の抗酸化剤により抑制でき、更に

(B)殺菌剤と、(C)制汗剤とを併用し、

かつ前記(A)成分のエキス分含有量と

前記(B)成分の含有量との質量比

(A/B)を一定の範囲内とすることで、

腋臭だけでなく体幹部の臭気も抑制でき、

使用感に優れるだけでなく、デオドラント

効果の持続性及び保存安定性も向上する

ことを知見した。」んです。

 

  ということで、ライオンさん、これだけ

鋭意!!検討を重ねたのですが、さらに

鋭意の2乗ぐらい検討を重ね、2016年

3月16日から、男性用ボディーソープで、

茶葉から抽出したポリフェノール成分を配合

した男性用薬用デオドラントを改良新発売

するんです。

 

www.lion.co.jp

 

 男性の汗や皮脂を洗浄して臭いの

原因菌を殺菌し、臭いを長時間ブロック

するそうなのですが、女性の汗の臭いは

ブロックしないんでしょうか?

 

 今度の殺菌成分はイソプロピルメチル

フェノール(IPMP)だそうで、汗、皮脂

由来の臭いを発生させる原因菌を殺菌

するんだそうですね。

 

 この発明関係はまだ出願公開がされて

いないので、殺菌メカニズムはよくわかり

ませんが、どの程度の時間、スメハラ対策に

なるのでしょう???