知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

アイエムティーさんの室内エビ養殖

 近大マグロの陸上養殖、有名です

よね。

 

 いけすで産卵したクロマグロの卵を

陸上の水槽でふ化させ、最終的には

海上のいけすで商品サイズの成魚に

育て上げる完全養殖に成功したのだ

そうですが。

 

 2014年には、以前に書きました

好適環境水」を使用して陸上養殖

した「陸マグロ」というのが岡山

理科大から出荷されたというような

記事もありますが。

 

 ということで、こちらのほうは、

エビの養殖を新潟県妙高市

おこなっているIMTエンジニア

リングさんというのもあるわけ

でして。

 

 IMTエンジニアリングさんの正式

名称は、「IMTエンジニアリング

株式会社」、本社は新宿、事業所は

先ほどの妙高市、資本金が7300万円

という会社です。

 

http://www.imteng.co.jp/

 

 このIMTさん、ホームページでは

明らかではないのですが、以前は

株式会社アイ・エム・ティーと

名乗って?いたようで、下のPDF

から貼り付けさせてもらうと、

以下のような装置なんだそうです。

 

http://www.imteng.co.jp/files/AgriGARAGE003.pdf

 

f:id:oukajinsugawa:20160107154215j:plain

 

 このIMTさん、テレビや新聞などで

たびたび取り上げられていますが、

年末の「世界が驚いたニッポン!

スゴ〜イデスネ!!視察団 エビ

養殖 「天然の味に負けない工夫」 」

というのでも紹介されていました。

 

 どんなものかというと、通常は、

魚の養殖は海に生け簀を設けて行わ

れるんですが、バナメイエビは孵化して

2週間ほどは海水でしか生きられない

のですが、その後は淡水でも生きられる

ため、生後10日ほどの稚エビを海外

から輸入し、陸上養殖してるんだそう

です。

 

 どんなふうにしているかというと、

長さ40mの水槽で約70万尾のバナメイ

エビが養殖されており、海外で養殖され

たものより甘み(グリシン)が3倍以上

だそうで、これを実現するために、

水槽に、人工的に波が発生するように

して、海と同じような環境にすると

ともに、エビが泳ぎ続けることが

できるよう、エサのほうも脂肪分を

多くして、食感を良くするように

しているんだそうです。

 

 また、水は、井戸水にカルシウムや

マグネシウムを混ぜた水を使用し、

さらには、微生物を利用してエビの

排泄物であるアンモニアを無害に

変えることで、水の浄化をおこない、

ストレスを与えないような養殖手法を

取っているそうです。

 

 ストレスがあるかどうかはヒゲを

見るとわかるんですってね。

 

 知りませんでした。

 

 IMTさんでは、国土の大部分が

草原で、海に面していないモンゴルでの

エビ養殖も始めているんだそうです。

 

 ということで、どんな特許になって

いるのかというと、以下のようになって

いました。

 

・ 魚の養殖装置 特許第3665838号

 

f:id:oukajinsugawa:20160107154500j:plain

 

・ 水産物の養殖装置  特許第3955192号

 

f:id:oukajinsugawa:20160107154518j:plain

 

・ 水槽内の沈殿物排除装置及びこれを用いた水産物養殖装置

 特許第4242875号

 

f:id:oukajinsugawa:20160107154537j:plain

 

・ 室内型エビ生産に用いるエビ育成・健康管理システム

  特許第4635172号

 

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・ 水産物の養殖装置、およびそれに使用する人工海藻

  特許第5658423号

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 最後の特許5658423は、PCT出願になって

いますので、海外でもしっかり権利化して

いただいて、おいしくて安い養殖エビを

提供してもらえるとありがたいですね。