この前、以下のように、カニカマの製造
機械メーカーさんの話をしました。
今回は、カニカマ製造機械を使って、
実際にカニカマを製造しているメーカー
さんの話です。
石川県の七尾市に、株式会社スギヨ
という会社があるのですが、設立が
1962年、資本金3億円、従業員数
650名という会社です。
(明治初年に鮮魚問屋・定置網漁業を業
として発足し、大正から昭和期は、焼き
ちくわなどの製造をおこなっていたそう
です)
このスギヨさん、世界で初めてカニカマを
発売した会社で(1972年です)、カニカマは
世界に輸出されており、フランス語の「surimi」
は、カニカマの意味となっています。
このスギヨさん、カニカマのほかに、ちくわ、
揚げ物、鶏卵加工品、かまぼこなどを
製造しています。
カニカマってどうやって作るんだ?と
いうところですが、まずは、原料となる
スケソウダラのすり身をフレーク状に
細かく削り、卵白やカニから抽出した
エキスなどを混ぜ、味付けされたすり身を
機械で蒸しながら練り物にするんだそうで、
ここまでは通常のカマボコづくりとおんなじ
なんだそうですね。
その後、練り物を、平たい帯状に薄く
伸ばしていき、これを、カッターで、縦に
細かい切り込みを入れて、これを斜めに
巻いていくと、カニ足繊維のような食感が
生まれるんだそうです。
以下のヤナギヤさんの主要取引先に、
スギヨさんも入っていますので、スギヨ
さんでも以下のようなヤナギヤさんの
カニカマ製造機を使っているんでしょう。
http://ube.axis.or.jp/kakusya/yanagiya.htm
http://www.ube-yanagiya.co.jp/html/industry/suisan-neri/kanikama.html
その後、最後に、トマトとパプリカの
色素で赤く色付けした練り物を表面に
コーティングすると、味、風味だけでなく、
見た目も、カニ足そっくりになってしまい
ます。
ということで、このスギヨさん、どんな
知財活動をおこなっているかを覗いて
みると、商標では、登録と商標出願で、
63件あり、スギヨさんの最高級カニカマ
の「香り箱」や、「かにちゃいまっせ」、
「かにちゃいまんねん」、「大人のカニカマ」
とか以下のようなものがありました。
(どれが石川県の方言なんでしょう?)
意匠のほうは3件で、包装容器で登録
されていますね。
それでは、特許出願のほうはどうかと
いうことで、プラピ(J-PlatPat)を見て
みるとほとんど食品関係だったのですが、
以下のように、2005年の公開から、バイオ
や医薬関係が出てきています。
(プラピさんになってから、筆頭IPCと
いうのが出ているので、違ったものを
見つけるのに楽ですね)
食品関係の企業は、バイオや医薬品関係
にも軸足を伸ばそうとしていますので、スギヨ
さんもそうなのでしょう。
ちなみに、食品関係のIPC国際技術分類は
A23Lなわけですが、日本のFI分類での
かまぼこ関係は以下のようになっています。
A23L1/325 海産物製品;魚製品;フィッシュミール;魚卵代用品
101 ・・魚肉練製品
A 形状・構造に特徴があるもの〔←多層構造のかまぼこ〕
B 冷凍すり身
D 品質改善
E 包装・被膜
F 保存・殺菌
G 充填・成形装置B
H 充填・成形以外の装置B
Z その他のもの
ということなので、出願公開を2010年
から、FIをA23L/325,101として、どんな
魚練製品メーカーさんが出願をしているの
かを見てみると、1位が紀文、2位日本水産、
3位不二製油、4位味の素、5位スギヨさんと
いうことで、大体の傾向がつかめます。
尚、ヤナギヤさんのホームページに
以下のようなカマボコ屋さんリンク集と
いうものがあるのですが、カマボコ屋
さんて、結構いろいろあるんですね。
食品機械の株式会社ヤナギヤ「全国ねり製品メーカー(かまぼこ屋さん)のリンク集」