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知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

PASESAで、動脈硬化のチェックを致しましょ。。。。 パセーサ!!

 以前に、夢の扉という番組で、血管の

硬さを測る血圧計というのをやっていました。

 

http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/backnumber/20141221.html

 

 これは、複数の機器を使っておこなって

いた測定を1台で測定できる血圧計を作った

という内容でした。

 

 これを開発し製造販売しているのは、

「株式会社志成データム」という会社

で、1988年設立、本社町田市、資本金

1億円、業務内容は、電子情報ボード、

光学式タッチパネル、医療機器、 特定

小電力データ通信機器という会社です。

 

http://www.shisei-d.co.jp/

 

 番組では、ここの代表取締役の斎藤之良

さんが取り上げられており、製品名はPASESA

(医用電子血圧計AVE1500)、2011年11月に

事業承認を取得して、病院など40施設に導入

されていると紹介されていました。

(登録5499569号として商標登録もされて

います)

 

 番組では、「血圧計で血管の硬さを測りたいと、

日本有数の研究機関に共同研究を持ちかけて

研究をおこなったりした」としか言っていません

でしたが、特許出願状況などをみると、産総研

さんとの共同研究ですね。

 

 この共同研究で、200人以上の脈波データを収集、

腕のカフで中心動脈の硬さを測る方法として、

人体を電気回路に見立てることを発想し、「腕」

で測る脈波は「心臓付近」と一致するという仮説を

たて、その後、理化学研究所で血行のシミュレー

ションを行い、検証開始から1年、PASESAが

完成したんだそうです。

 

 ということで、番組では発明の詳細を紹介して

いませんでしたし、志成データムさんのHPでの、

「開発経緯」や、「API,AVI測定原理」などを覗い

ても、「医療関係者の方への情報提供を目的に

しており、一般の方はご遠慮ください」となって

しまうので、違うところから詳細を調べてみようと

思います。

(王花陣は、平均的な一般人なんです。はい。

尚、「医療関係の方ですか?」というのに、

嘘ついて、「はい」と答えても、見ることが

できますが、私のほうでは、嘘つかないで、

違うほうから攻めてみましょう)

 

 ということで、理化学研究所知ってます?

 

 小保方おぼちゃん問題で、俄然クローズアップ

されてしまいましたので、まー、知らない人は

いないのでは?

 

 この理研さん、実は、以下のような、広報活動

も盛んなわけでして。

 

http://www.riken.jp/pr/publications/

 

 この理研ニュースの2012年8月号の特集

記事で、「血管の硬さが分かる血圧計を共同

開発」として、取り上げられているんです。

 

http://www.riken.jp/~/media/riken/pr/publications/news/2012/rn201208.pdf

 

 「夢の扉」の番組では、斎藤さんにスポットを

当てた番組構成でしたが、まー、こちらのほうは、

斎藤さんの話もありますが、当然ながら、理研さん

中心の記事になっています。

 

 ということで、この記事をちょっと覗いて

みましょう。

 

 まずは、PASESAの開発経緯ですが、斎藤

さんは1988年から電子血圧計の開発を続け、

血管の容積変化を波形として測定した脈波から、

血管の硬さを正確に測る研究を2004年から

産総研と共同で始め、静脈動脈の硬さを示す、

血管指標「API」を確立したそうです。

(ちなみに、文字数の関係で、特集記事から

抜粋編集して記載していますので、正確には、

特集記事のほうを見てください)

 

 ここで、特集記事には載っていませんが、

どんな特許出願がされているのかを見たほうが、

内容がわかり易いので、以下に載せておきます。

(血圧計関係でないのは除いています)

 

f:id:oukajinsugawa:20150525124252j:plain

 

 最初の基本特許は、特許3480703などでは

ないかと思います。

 

 その後に、上に書いたように「API」関係で、

青く色付けしたように、産総研さんと共同出願

したのでしょう。

 

 その後、志成データムさんでは、脈波の中に、

硬化すると心筋梗塞などの心疾患の原因と

なってしまう、心臓周りの中心動脈の太い血管の

硬さを示すシグナルが含まれていることに気付

いたそうで、1999年から生体シミュレーションを

研究している理研さんと共同で、2007年から、

中心動脈の硬さが、どのようなメカニズムで

上腕動脈の脈波中にシグナルとして現れるの

かの研究を開始したそうです。

 

 これは、上腕に、「カフ」と呼ばれるベルトの

圧力をかけたときの脈波を再現できるようにし、

中心動脈の硬さをシミュレーションでさまざまに

変えて、脈波がどのように変化するのか調べ、

中心動脈の硬さと、カフへの圧力をかけたときの

上腕脈波に関係性があることを見出したんだ

そうです。

(なぜそうなるかに興味がある方は、特集記事

原文を見てください)

 

 ということで、もう一つの血管指標「AVI」と

いうのを確立し、中心動脈の硬さを示す血管指標

「AVI」と上腕動脈の硬さを示す血管指標「API」を、

血圧と同時に測定できる電子血圧計「PASESA」を

開発したんだそうです。

 

 この成果が、上表のように、特開2014-188035

などにつながったのでしょう。

 

 ということで、PASESAを一家に一台いかが

です?

(て、ゆーか、医療関係者にしか販売して

いないでしょうし、高くて買えないでしょう)

 

 まだ、AVIやAPIの基準値もはっきりして

いませんし、個人差などがあり、医療機関でしか

使用できないですが、さらに研究開発をしていた

だいて、個人でも使用できる安価な製品を出して

欲しいものです。