知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析ゴルフ用具編 23 飛距離アップ

 ゴルフ用具分析の続きです。

 

 まず、我々としては、材料とか、中空構造

とかなんでもいいんであって、関心があるのは

なるべく遠くに飛んで欲しいし、グリーンで

ピタッと止まって欲しいし、まっすぐ飛んで

欲しい、ということではないでしょうか。

 

(このほかにも、絶対ダフらないとか、絶対

OBにならないとか、絶対シャンクしないとか

「絶対、絶対、絶対、絶対」など、数え上げれば

きりがないですが。

 

 ゴルフギアフリークの人にとっては、シャフト

材料とか、ヘッド材料、ヘッドチューニング

ウエイトとか、いろいろ関心はあると思いますが、

まあ、それは置いておいて)

 

 ということで、飛距離アップのために、どの

ような研究がされているのかを見てみましょう。

 

 まず、調べ方ですが、飛距離という課題軸は

FIにもFタームにもありませんので、IPDLを

使用するという前提で、要約の中に飛距離

という言葉が入っているものを抽出します。

 

(商用DBを使用する場合には、「課題」、とか

「効果」とかというところでも絞り込みができ

ますので、そちらで絞り込んでください)

 

 そのほかにも飛距離を伸ばすための文言は

いろいろあると思いますが、まあ、誰も文句は

言わないでしょうから、これ一つで絞り込みます。

 

 (実際に、仕事でおこなう場合には、キー

ワードに抜けがないようにいろいろ考える

必要があります)

 

 まとめてみると、2009年1月からの出願で

あって、ゴルフクラブ関係で飛距離に関係

する登録はどのようなものがあるかということに

なります。

 

 これを、おおまかにグラフ化すると以下の

ようになりました。

 

f:id:oukajinsugawa:20141103142215g:plain

 

 IPDLでどのように調べるかというと、

まずは公開公報を検索します。

(IPDLでは一度検索したものを記憶

する機能がないので、エクセルなどに

検索結果を貼り付けておきます)

 

 この後、同じように登録公報を調べて

重複するものを調べます。

 

 再度、公開公報を検索し、重複する

文献を表示し、要約を表示し、これを

エクセルにコピペします。(公開公報に

しか要約は記載されていません)

 

f:id:oukajinsugawa:20141103142303g:plain

f:id:oukajinsugawa:20141103142352g:plain

 

 これを繰り返し、そのほかの書誌事項なども

コピペし、わかりやすいように編集します。

 

 この要約を見ながらどんなものがあるか概略を

見ていきます。(このほかに、特許請求の範囲や

他の項目を貼り付けてもいいですが、情報量が

多量になり見にくくなるので、要約程度がお勧め

です)

 

 ということで、飛距離を伸ばす方法としては、

おおまかに分類すると、まずは、ヘッド部を

いろいろ検討するもの、シャフトのしなりなどを

改善するもの、最後は、ヘッドとシャフトの全体を

最適にするものの3種類となりました。

(ヘッド部は、ウッドもアイアンもいっしょくたに

なっています)

 

 それでは、ヘッド部をどのようにするのかを

見てみましょう。

 

 まず、全体最適ですが、クラブシャフトとヘッド

重量、ヘッド重心などからの静的モーメント、慣性

モーメントを設計時に最適にするというものです。

 

 慣性モーメントの値は、カタログには表示されて

いないでしょうし、我々アマチュアレベルでは、

買うときに振ってみてもよくわからないでしょうから

まあ、フィーリングで購入することになってしまい

ますね。

 

 次にシャフトです。

 

 こちらのほうもシャフト単体での研究ではなくて、

ヘッドが取り付けられたときにシャフトをどのように

最適にすればよいかというものです。

 

 上記と違うのは、全体最適は一般的なシャフトを

使い最適にするもので、シャフトのほうは、ヘッドを

付けた状態でシャフトによって、特別に最適化する

というものです。

 

 以下、次回。