知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析ゴルフ用具編 19 ゴルフ業界の全体構造

 前回は出願の多いものはどのような

ものかをおおまかに見てみました。

 

 ということで、さらに分析していくわけ

ですが、通常ですと、他社戦略分析を

おこなうために、各企業ごとに分けて

分析をおこない、どのような戦略を採って

いるかを分析します。

 

 しかし、今回は、各企業がどのような

戦略を採っているのかではなくて、

ゴルフ業界全体の技術傾向、商品

傾向なのかを見たいと思いますので、

ゴルフ全体での分析、及びその詳細を

見ることにします。

 

 それでは、次は一番多かった、ヘッド部の

A63B53/04ですが、どのような課題が

あるのか、まずはFタームテーマでの

観点で見てみましょう。

 

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 Fタームは一つの出願に複数付与される

のが普通ですので、実際の出願件数より

多くなっています。

 

 多いのは、ゴルフクラブの構成や種類に

関するもの、ヘッド形状・構造、材質と

続き、やはり製造方法も研究されて

います。

 

(製造方法だけの出願は、人に教える

だけになる可能性がありますので、出願

には注意が必要です)

 

 次はこれらの観点上位6つに絞って、

さらに見てみましょう。

 

 すべてを一つのマップにすることは可能

ですが、凡例が煩雑になるので、それぞれ

観点ごとのマップにしてみます。

 

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 まず、観点2C002AAゴルフクラブの構成・

種類です。

 

 一番多いのはヘッドです。

 

 次にウッド、アイアン、パターと続きますが、

これらは、点が二つですので、ヘッドの下位の

分類です。

 

 AA01の「ヘッド」というのは、ウッドにも

アイアンにも、パターにも分類できないような

大きなくくりで分類するほかないものです。

 

 もちろん、ウッド、アイアン、パターと重複して

いる場合もあります。

 

 ヘッドの中では、ウッドが一番多いですので、

まずは、第1打で、まっすぐに、かつ遠くに

飛ばすというところに主眼がおかれているので

しょう。

 

 アイアンのほうはピタッと止まって欲しい

ですね。

 

 プロは飛距離によってめちゃくちゃ有利に

なると思いますが、アマチュアは関係ないと

思うのですが。(すいません、私見です)

(ジョン・デイリー選手などめちゃくちゃ有利

でしたが、大波小波があり、優勝はするものの

勝利数があんまり増えませんでした)

 

 次は、ヘッドの形状・構造です。

 

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 上記のような順番になりましたが、内部

構造や、中空構造は、なんかウッドヘッドの

ような気がしますが、ほかはどうなんでしょう。

 

 ということで、これも見てみると以下になります。

(バブルチャートの作成方法は、この前説明しましたね)

 

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 これは、観点AAと上記観点CHの関係が

どのようになっているかを調べています。

 

 クラブのほうのFタームは省略し、クラブ名

だけにしています。

 

 これを見ると、内部構造と、中空構造は

さすがにほとんどがウッドですね。

 

 アイアンなども中空構造の商品も少数

ながらありますよね。

 

 バックソールなどはアイアン、パターとも

結構研究されています。

 

 ということで、今日はこのへんで。