知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

パテントマップ特許情報分析編1 FI別で2社比較をしてみよう!

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 以前に書いたように、競合企業分析を

おこなう、協業先を探す、M&A先を探す

などの分析の場合、まずしっかりと自社

の特許ポートフォリオ分析をおこなう

必要があります。

 

 特許ポートフォリオというのは、自社の

特許全体のかたまりだということを以前に

説明しました。

 

 自社のポートフォリオをしっかり分析

しておいて、次に、対象企業と比較して

いくことになります。

 

 分析したい技術を調べるテクニックと

しては、まず自社の公報に記載されている

特許分類を使って他社を分析するのが簡単

です。

 

 また、多数の文献から絞り込む場合には、

どのような分類を多く使っているかを特許

分析ソフトに分析させるのも効果的です。

 

 今回はまずハードロック工業さんを分析

してきましたので、自社がハードロック工業

であると仮定して、イイファス(株)さんを

分析してみましょう。

 

 競合企業分析をする場合には、いつから、

どんな出願をしているのか気になります。

 

 また、協業先や、M&A候補を探す場合には、

自社にない技術を持っていて、シナジー効果

生む企業を選びたいものです。 

 

 ハードロック工業さんとイイファスさんの

出願時系列分析はすでにおこないました。

 

 今度は、どんな出願をしているのか比較して

みましょう。

 

 冒頭に示したのがそのコンパラマップと

いうものです。

 

 コンパラというのは、compareからとられた

もので、比較する、対比するなどの意味です。 

 

 特許分析ソフト(パテントマップ作成ソフト)

でコンパラマップを作成すると、まず、出願

件数の多い順に並べてくれます。

 

 今回は自社がハードロック工業、他社が

イイファスとしましたので、イイファスさんの

特徴的な部分を見たいので、マップは

イイファスさんの出願の多い順に並べ替え

ました。

 

 そうすると、建築構造、屋根関係、足場

など建築に関する出願も多いのがわかります。

 

 なぜかというのをイイファスさんの共願

(一緒に研究開発をしたので、一緒に出願

すること)企業を調べてみましょう。

 

 調べてみると2社しかなかったのでマップ

化しませんが、淀川製鋼所(株)との共願が

4件、コクブ(株)との共願が2件でした。

 

 淀川製鋼所というのは「ヨドコウ」で有名

ですが、事業としては建材・エクステリア

事業にも進出していますので、なるほどと

納得がいきます。

(コクブ(株)というのはファスナー関係

です)

 

 ということで、技術分類のFIで今回は

比較してみました。

 

 もし、競合分析の場合には、自社又は

他社の強み弱みは何なのかを見ることが

できますし、M&Aなどの場合にはシナジー

効果が得られるのかなどを調べることが

できます。

 

 さらには戦略策定の場合には、これらから

どこに力を入れて行くかを検討していく

ことになります。

 

 それでは、次回はこれらを時系列で見て

みましょう。