知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

海月研究所さんの、クラゲでしっとり化粧品

 「何だ?カイゲツって?」というところ

ですが。

 

 「バッキャロー、そんなの簡単だY。」

 

と言った、あなた、

 

「あなたは、漢検1級の方ですね?」

 

 ということで、「漢字検定に受かる法

などという書籍も出ています。

 

 海月研究所さんの正式名称は、株式

会社海月(くらげ)研究所、設立が2009年、

本社は神奈川県の川崎市、資本金4千万円、

従業員3名、事業内容は、医療・化粧品・

食品分野におけるクラゲ由来天然素材

(クラゲ由来ムチン型糖タンパク質、クラゲ

由来コラーゲン、その他)の製造・販売・

研究開発およびライセンス業、となっており、

理研発のベンチャーさんなんです。

 

https://www.jfish-lab.com/

 

 保有知財もホームページに紹介されており、

 

・ ムチン物質特許  

 特許第5057383号「新規ムチン型糖タンパク質

 及びその用途」(出願人:理化学研究所

 独占的通常実施権(再実施権付)のライセンス

 海外10カ国(中、豪、加、米、独、西、仏、

英、伊、典)で成立

 

・ ムチン・コラーゲン製造法

 特許第5775221号「ムチン及びコラーゲンの分別

抽出方法」(出願人:丸和油脂、海月研究所)

 WO2014030323 A1「ムチン及びコラーゲンの

 分別抽出方法」(出願人:丸和油脂、海月研究所)

 外国(米、欧、中、台、韓、豪)出願中

 

 ・ 加水分解物製造法

 特願2013-267662「水不溶性高分子化合物の

 分解物の連続的製造方法」(出願人:丸和油脂、

 海月研究所)

 

 だそうで、そのほかに、登録商標も紹介

されています。

 

 クラゲには、ムチンという粘液物質の糖

タンパク質が豊富にあるそうで、保湿性と

抗菌作用に優れているそうで、ひざ関節の

軟骨表面や関節駅の中にある糖タンパク質と

形が似ていることから変形性関節症の

治療薬としても期待が高まっているんです。

(と、朝日新聞に書いてありました。)

 

 社長さんの話によると、ドライアイ向けの

点眼薬やドライマウスに役立つ人工唾液

など、様々な用途に使える可能性がある

そうです。

 

 市販のコラーゲンのほとんどは、牛や

豚の骨や皮革などの硬い組織から熱水で

溶かし抽出し、酸やアルカリで処理する

ため、市場に出回る前に構造が壊れて

しまうことが多いそうですが、クラゲの

コラーゲンは、水に溶けやすく、やわら

かい組織から天然のまま抽出できるので、

メリットがあるそうです。

 

 ということで、特許5775221は以下と

なります。

 

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【発明の効果】

【0009】

  この発明によると、クラゲからムチンと

コラーゲンとのそれぞれに分別抽出する

ことのできる方法を提供することができる。

この発明によると、クラゲからムチンを、

従来よりも向上したムチン抽出量をもって、

分離することのできるムチンとコラーゲン

との分別抽出方法を提供することができる。

 

【0011】

  この発明における「クラゲ」は、刺胞動物

門に属するクラゲである。このようなクラゲ

として、ミズクラゲアカクラゲオワンクラゲ

エチゼンクラゲ、アンドンクラゲ、ビゼンクラゲ、

ハブクラゲ等を挙げることができる。好適な

クラゲは、ヒトに対する安全性が確認されて

いるクラゲであり、既に食用に供されている

ミズクラゲ、ビゼンクラゲ、エチゼンクラゲ等で

ある。

 

【0012】

  この発明の方法に提供されるクラゲの形態に

ついては特に制限がなく、例えば生のクラゲ、

冷凍クラゲ、乾燥クラゲ、塩蔵クラゲ等を使用

することができる。

 

 特願2013-267662(WO2015/098634)は

以下だそうですよ。

 

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