知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

日建工学さんの、環境活性コンクリート

 がっちりマンデーで、大学と会社がコラボ!

「儲かる!共同研究」アミノ酸でおいしいコン

クリート!?お魚が大喜び!、というのをやって

いましたね。

 

 日建工学、味の素、徳島大学の共同研究で、

コンクリートアミノ酸の一種のアルギニンを

混和した環境活性コンクリートだそうで。

 

http://www.nikken-kogaku.co.jp/product/detail/519.html

 

 海とか川にこのコンクリートブロックを設置

することで、栄養分をゆっくり供給し、苔や

海藻が生えたりして、食物連鎖の基礎となる

環境を作るんだそうです

 

 いろんな研究があるもんです。

 

 日建工学さんは、正式名称「日建工学株式

会社」、設立が1964年、本社が東京の西新宿、

東証2部上場で、資本金10億442万円、

連結売上高が9,750百万円(ホームページに

載っている情報は古いです)、連結従業員数

114名、事業内容は「消波根固ブロック」の製造

鋼製型枠のリースおよび製品販売「環境保全

ブロック」等の製造鋼製型枠のリースおよび

製品販売、土木シート資材の製品販売、造景

岩工法等の特殊施工となっており、会社四季報

によると、技術開発型で多数の特許、景観・

環境事業、消波ブロック、土木シートが3本柱

となっています。

 

日建工学株式会社 河川、砂防、海岸、港湾、漁港、道路、公園の土木工事

 

 日建工学さんは、上記のように、技術開発

型で、型枠などのリースと製品販売となっており、

製造は、子会社の東洋水研などでおこなわれて

います。

 

東洋水研株式会社|消波·根固·漁礁用ブロック

 

 ということで、特許出願を調べると、以下の

ようになっています。

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 味の素さんとの共同研究は、特開2011-

14287「環境活性コンクリート」(特許

5388874)、特開2012-191892「水中環境

再生構造体」(拒絶)、というもので、

アルギニンなどの含有組成が書かれていますが、

テレビで紹介していた製品は、2016年12月

1日と公開ほやほやの特開2016-198017

「栄養素を徐放出するコンクリートブロックの

製造方法」というもので、こちらは株式会社

総合開発さんとの共願となっています。

 

 特開2016-198017は以下のようになります。

 

【課題】

 速やかに藻類やコケ類等の植物を繁茂し

長期間にわたって植物の繁茂を継続し、動物

などの生育環境を実現する。

 

【解決手段】

 コンクリートブロックの製造方法は、普通コンク

リートを型枠4に注入して所定の形状に成形し

本体部2を製作する第1の成形工程と、この

第1の成形工程で成形された本体部2の表面に

多孔質なポーラスコンクリートからなるポーラス

層3を成形する第2の成形工程とでコンクリート

ブロックを製造する。さらに、コンクリートブロック

の製造方法は、第1の成形工程で普通コンク

リートからなる本体部2を成形した後、普通

コンクリートの未硬化状態において、第2の

成形工程で本体部2の表面に接してポーラス

層3となる栄養素を添加してなるポーラスコン

クリート原料を供給してポーラスコンクリート

からなるポーラス層3を成形する。

 

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 このブロックで、川や海がきれいになると

いいですね。

(逆に、富栄養化が進んでしまったりして??)