知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

水飲み鳥とENIAC

 この前書いた「新・拒絶理由通知との対話の

第二弾です。

 

 この書籍では、「水飲み鳥」も取り上げられて

おり、登録番号は特許185346号なんだそうです。

 

 昔、このようなおもちゃを見た記憶がありますが、

最近見たことがないような気がしますが、それは、

私だけ?

 

 ということで、早速プラピ(J-PlatPat)で検索

してみましょう。

 

 と言っても、プラピさんでは特許公報蓄積

範囲外ですので、昔の公告特許公報ナンバー

「特公昭25-2455」で調べてみましょう。

 

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 方法は、上のように、S25-2455と入れるか、

1950-2455と入れましょう。

 

 すると、出ました、昔のものなので、ちょっと

見にくいわけですが。

 

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 須田さんという方が発明したもので、発明の

名称は、「沸騰球を使用させる原動機関」と

いうものです。

 

 ただの水飲み鳥ではないんですね。

(話は違いますが、この出願は1948年11月

15日ですが、当用漢字表というのが1946年に

告示されたとのことですが、まだ古い漢字が

使われていたんです。 まだ生まれていない

ので、よくわかりませんが)

 

 この原理は明細書にも書かれていますが、

頭部の水の蒸発熱を利用して、内部の沸点の

低い液体(この発明では、私の大好きなもの

の親戚のエチルエーテルだそうです)の

蒸気圧の違いを利用するそうですが、詳しく

知りたい方は、WEBで「水飲み鳥」と打ち込むと

いろいろ出てきますので、見てみてください。

 

 この明細書には永久機関とは書かれてはいま

せんが、⑥のコップの水か、太陽からのエネルギーが

なくなるまで動き続けますので、原理を知らないと、

まさに永久機関のように見えるでしょう。

 

 ということで、もうひとつ取り上げてみま

しょうかね。

 

 今度は永久機関ではなくて、正真正銘の

コンピューター「ENIAC」です。

 

 「新・拒絶理由通知との対話」には、1946年に

エニアックができて、特許番号USP3,120,606

だと書かれています。

 

 それでは、今回は米国特許商標庁のデータ

ベースの使い方をおさらいしながらエニアックを

調べてみましょう。

 

 まずは、以下にアクセス致しましょう。

 

http://patft.uspto.gov/

 

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 今回は登録特許を番号で調べることが

できますので、左のPatFT:Patentsの

ほうの「Number Search」をクリック致しま

しょう。

 

 そうすると、もう番号を打ち込むだけですね。

 

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 このままでは、いつまで待っても検索

してくれないので、「Search」をクリックすると、

以下のようになって、「古いんで、フルテキスト

のデータ提供なんかしないもんねー。 見た

かったらImagesボタンを押してね」と

出ますので、「Images」ボタンを押しましょう。

 

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 そうすると、以下のような画面になるのですが、

もしかすると、PDF表示をさせるためには、

最初に何か細工をしないといけなかったかも

しれませんが、忘れてしまいました。

 

 とりあえず、皆様の画面もこのようになっている

という前提で話を進めます。

 

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 総ページ数207ページと大力作ですし、

出願が1947年6月26日、登録が1964年

2月の4日と書かれています。

 

 1ページ目はフロアプランとなっていますが、

寸法が書かれていないので、どのくらい

広いのかよくわかりません。

 

 左側のいろんなところをクリックすると、

ページごとに見ることができたり、フロント

ページに飛んだりするわけですが、試しに

フロントページを見てみると以下のように

なって、請求項数も148とおおがかりな

ものだったんですね。

 

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 尚、下のように、真空管が沢山使われ

たんだそうですよ。

 

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 ウイキなどを見ると、その後、特許の一部が

無効になってしまったようですが、コンピュー

ターとして重要な役割を果たしたことは否め

ないでしょう。