知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

がんばれ、江戸っ子1号!!!

 先週の木曜日に、大阪のまいど1号に

関連した医療関係の記事を取り上げ、他の

地方も頑張って欲しいと書きました。

 

 これに関連して、 「日経ものづくり」の2月号に

「江戸っ子1号ついに深海に潜る」と題して

江戸っ子1号が取り上げられていました。

 

  江戸っ子1号については、20134

21日の日本テレビ「シューイチ」の中の

「中山のイチバン」というコーナーで、

「町工場の力で深海探査機開発」という

ことで、電波を通すゴムの開発などを

やっていました。

 

  さらに、昨年11月に深海8000メートル

近くでの3D撮影に成功し、テレビ、新聞

などの様々なメディアに取り上げられて

いましたので、ご覧になった方も多いの

ではないでしょうか。

 

  江戸っ子1号については下記に、プロジェクト

HPがあるのでご覧ください。

 

http://edokko1.jp/


 それでは、どのような町工場が参加している

のかというと、

 

(株)杉野ゴム化学工業所(東京都葛飾区 特注ゴム部品、製品開発)

(株)浜野製作所(東京都墨田区 金属加工)

(株)バール技研(千葉県船橋市 精密試作加工)

ツクモ電子工業(株)(東京都大田区 電子機器設計試作)

岡本硝子(株)(千葉県柏市 特殊ガラス)

 

 という企業でした。

 

  それでは、これらの企業で得意の特許情報分析を

おこなってみましょう。 特許公開を全期間調べて

みることにして、

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 岡本硝子さんは権利取得に積極的であり、

他はそれほどでもないようです。 バール技研

さんと、ツクモ電子工業さんは、業務形態が

特許権取得にあまり向いてないので出願が

ないのだと思います。

 

 

 杉野ゴム化学工業所さんの2011年出願の

1件はそのものズバリ、「海底探査装置」でした。

 

  残念ながら電波を通すゴムというのはヒット

しませんでしたので、まだ公開されていないの

だと思います。

 

 

 ということで、頑張って海底探査機の開発に

没頭しているようですが、ビジネスには結び

ついているのでしょうか。これらの研究開発を

他の製品に結び付けるということも重要だと

思いますので、是非他への応用に頑張って

欲しいものです。

 

 

 話は変わって、火曜日のテレビ東京

ガイアの夜明け」では「お金じゃない、新たな

”働き方を求めて”と題して、人の役に立ちたい

という様々な人を取りあげていました。

 

  ここで社員9人という84歳の社長を取り

上げていましたが、耳が不自由ということで、

独学で聴覚障害者用腕時計を開発し、聴覚

障害者から感謝の手紙が絶えないという話を

取り上げていました。

 

  企業トップページは以下です。

 

http://www.shinyu.co.jp/index.html

 

  第二の人生を人の役に立ちたいという

ことで、健常者では考えつかないようなことを

発明し、製品にしているとのことです。

 

 こちらのほうの特許出願を検索をしてみると、

テレビで言っていたようなシステムを含め、

13件の出願がありました(実新1件含む)。

 

  しかし、ほとんどが未請求取り下げとなって

いましたので、相手からの権利行使を受け

ないために出願はしておいて(防衛出願と

いいます)、人の役に立てるために、誰でも

作れるように技術を公開しているのでは

ないかと推測されます。

 

 我々もビジネスで食べていけなければ、

従業員も不幸になるわけですから、人の

役に立って、さらに売り上げに直結するような

技術開発をしたいものですね。