知財アナリストのひとりごと

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イギリスってどこの国??

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 3連休も最後ですね。 成人式を迎え、

日本海側は寒波に見舞われ大雪になりましたが、

関東は冬晴れになったということで、日本

列島も結構広いものです。

 

 私も寒くて困り ました。

 

 ということで、3連休の最後なので、今日は

海外ネタをひとつ書いてみましょう。

 

 イギリスという国がありますが、イギリスと

いう英語はありません。 

 

 江戸時代、オランダやポルトガルとの貿易が

おこなわれていましたが、英語Englandを意味

するオランダ語や、ポルトガル語を聞いた江戸

時代の人々がエゲレスと呼んでいたのが変化

してイギリスと呼ぶようになったようです。

  

 実は、私はイギリスに住んでいました。

(正確にいうとイギリスで仕事をしていました)

 

 イギリスの人たちは、自分の国のことを

イギリスといいません。

 

 何というかは後で書くとして、英国(イギリス

といっているのは日本だけなので、今後、英国と

書きます)の正式名称は、

 

The United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland 

 

です。

 

  日本語では、グレートブリテン北アイルランド

連合王国ですし、海外では 略してUKと呼んでいます。

(英国も島国ですが、ロンドンなどがあるところが、

グレートブリテン島です)

 

  それでは、英国の人たちは、自分の国のことを

何と呼ぶかですが、 私が生活していた間(4年間)、

一度たりともUKという言葉を聞いた ことがありま

せんでした。

 

 私の現地で買った旅行ガイドも、ただ、

 「Great Britain」としかなっていません。 

  

 彼らには、我々が思っているような英国全体と

いう概念が希薄です。 

 

  なぜかというと彼らの生い立ちを歴史的に探ら

なければいけないので、ちょっと英国を含む

ヨーロッパの歴史を書いてみます。

 

 前回書いたように、出典を明示する必要があり

ますので、使用する 事典は以下です。

(子供用のものはうちの子供が使っていたものです)

 ・ THE GUINESS ENCYCLOPEDIA NEW EDITION GUINESS

 ・ ILLUSTRATED HISTORY OF THE WORLD (Kingfisher)

 ・ The Oxford Children’s History (Oxford University Press)

 

 昔は、ヨーロッパ大陸と英国はつながっていま

したが、氷河期が終わった 紀元前5000年ごろ

陸続きでなくなりました。

 

 紀元前の時代にはエジプト、ギリシャ、ローマ

などが繁栄していましたが、その時代英国は少数部族

 ごとの野蛮人(ローマなどから見て)が住んでいる

だけでした。

 

  英国には、ビーカー人がヨーロッパから渡って

きて住んでいました。

 (その前もネアンデルタール人が住んでいた

ようです。

 ちなみに、ネアンデルタールの英語での発音は、

ニーーアンダーサー(アンのところにアクセントが

あり、最後に「ル」というのが聞こえるか聞こえ

ないかぐらいあります)です。

 英国で現地のテレビを見ていると、なんのこっちゃ

となります)

  

 ビーカー人というのは、化学の実験で使う

広口のあのビーカーのような入れ物を使って

いたので名づけられました。

 

 その後Celts民族がヨーロッパからやってきて

住み着くようになりました。

 

 昔、中村俊輔選手が所属していたサッカー

クラブはセルティックといいましたが、スペルは

Celticで、ケルト人にちなんでつけられたチーム

名です。

 

 ヨーロッパや英国は紀元前3000年頃はうっそう

とした森でした。 

 

 しかし、どんどん人口が増加することにより、

燃料とする薪が必要になり、どんどん木が伐り倒され、

現在は森がなくなってしまっています。

 

  英国も一面見渡す限り低い牧草があるだけで、

木はほとんど見られません。 日本と違って

見渡す限り緑の草原なので、初めて英国に行った

ときは感動するのですが、何のことはない、

現在急に騒がれ始めたと思われている環境破壊が

昔からおこなわれていた結果なんです。

 

 このように、人口増加の結果、ヨーロッパでは、

ローマなどにAnglesSaxonsという民族が英国に

追いやられ、英国にやってきたAnglesやSaxonsが

ケルト民族を駆逐していきました。

 

 Englandという単語はAnglesから来ています。

 

 ケルト民族はアングロサクソン民族に侵略され、

ウエールズスコットランドアイルランドなどに

追いやられたため、今でもEnglandに対して対抗

意識が強いといわれています。

  

 このような経緯のため、England以外の地方は、

国意識が強く、サッカーを例にとっても、英国と

いうまとまったチームで出てきません。

(オリンピックはさすがに英国チームとなって

います)

 

 ところで、英国でのTV娯楽は、上流階級は

ラグビー、一般庶民はサッカーです。 

(さらに上層階級は、ポロ(馬に乗って球を打ち

あうもの)、クリケットキツネ狩り、 ウサギ狩り

などがあります)

 

 ラグビー5か国対抗戦というものも大層人気が

あるのですが、5か国というのは、フランス、

イングランドウエールズスコットランド

北アイルランドとなり、非常に対抗意識が強いです。

 

 英国のアングロサクソンすなわちEngland在住の

人たち、以外の人たちはケルト民族であり、

これも対抗意識の一因です。

  

 したがって、ウエールズの人に「Do you live in

England?」などと聞くと、いやな顔をされますし、

言下に「No, I live in Wales」などと返されることに

なりますので気をつけましょう。

 

 ということで、彼らは、自分たちが住んでいる

国のことを、それぞれ住んでいる場所によって、

イングランドウエールズスコットランド

北アイルランドといいます。

 

 ちなみに、たとえばウエールズにはウエールズ

語があり、ウエールズ語でのテレビ局もあります。 

 

 したがって、たとえばウエールズでの道路標識も

英語とウエールズ語で併記されています。

 

 私が住んでいたのはウエールズでしたが、うちの

子供が通う現地校で習う「国語」は英語とウエールズ

であり、そのほかに、小学校からドイツ語とフランス語が

ありました。

 

 今回は連休なので、海外ネタを書いてみました。

 

 海外でのおもしろい話がいろいろありますので、

またそのうち書いてみましょう。 

 

 

 

2015年5月7日追記:

 この前、「Youは何しに日本へ?」という番組で、

クイーン・エリザベス号の乗客に、「どこから来ま

したか?」と聞いていましたが、英国から来た人

たちは、皆さん、「イングランド」とか「スコット

ランド」とか答えていました。

 

 尚、英国のキャサリン妃が出産したシャーロット

王女の届け出で、お父さんの職業欄には、「Prince

of the United Kingdom」と書き入れたのを放送して

いましたが、ウィリアム王子は英国全体の王子

ですので、当然、「United Kingdom」と書きますよね。

 

 ちなみに、日本に来て日本語を勉強している学生は、

日本語でイギリスという言葉を習うので、「どこから

来ましたか?」と日本語で聞くと、日本語で、「イギリス

から来ました。」と答えます。(すべてというわけでは

ないですが)

 

2017年5月1日

  やはり、「Youは何しに日本へ?」という

番組で、「日本から英国に留学してくれる学生を

探しに来た。」という大学の教授が出ていたの

ですが、この方は、自分の国をUKと言っていま

した。 

 

 日本に何度も来ているようで、もしかすると、

日本に精通していて、わざと英国全体を意味する、

UKと言っていたのかも知れません。

 

 この方は、さすが大学教授という英語の発音で、

英国訛りもなく、はたまた米国訛りもない、わかり

やすい英語の発音でした。

(上で書いた、ウィリアム王子やエリザベス女王は、

生粋の英国訛り(クィーンズイングリッシュですね)

で話しますね)