知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

エアレスタイヤの開発状況を、日本の特許出願公開情報から探る

 以前にパンクしないタイヤや、走る

だけで空気が入る自転車用タイヤの

話をしましたが、ブリヂストンでも自転

車用空気なしタイヤを発売予定だそう

ですね。

 

http://www.jdt-news.co.jp/news/9122/

 

https://irorio.jp/sophokles/20170514/399491/

 

 エアフリーコンセプトというんだそうで

すが、新聞などによると、いろんなメー

カーさんで、自転車だけでなく乗用車

用の開発が進んでいるそうで、ミシュラ

ンは米国で、建設機械や農業機械向け

ですでに販売していたり、住友ゴム工業

では、ゴルフカートで実証実験を重ねて

いるそうです。

 

 空気無しタイヤのよいところは、パンク

がないので、スペアタイヤを積む必要が

なかったり、軽量化や燃費向上につなが

ることだそうですが、残念ながら、まだ

課題は、騒音と乗り心地だそうで、各社

これらの開発に力を注いでいるようです。

 

 ということで、各社の開発状況がどの

ようになっているのかを、プラピさん

(J-PlatPat)に、ちょっと調べてもらい

ましょう。

 

 どんなキーワードを使いましょうかね?

 

 「空気無し」、とか、「エアレス」、とか

「非空気」とか、いろいろ考えられますが、

空気だけに、なんか、漏れが大きそうな気が

します。

 

 なんちゃって。

 

 ということで、このようなときに助けて

くれるのが、特許分類なんですね。

 

 今まで、特許分類を調べる方法とか、

いろいろ説明していますので、今回の

分類の調査方法は書きませんが、空気

なしタイヤの分類はFIがB60C7/00@H

「特殊な形状の非空気式タイヤ」、Fター

ムは、3D131BB19「非空気入りタイヤ」

及び、3D131CC03「特殊な形状の非空

気式タイプ」となります。

(海外の分類調査方法も、以前に書いて

いますので、必要なら以前のブログを

見てください。)

 

 しかーし、Fタームは、平成28年に、

FIテーマのFタームテーマ化がされた

ばっかりで、これで検索しても、「Fター

ムで検索しても、Fタームができた

ばっかりなんで、古いものは検索して

やんないもんねー。」とプラピさんに

シカトされてしまいますので、FIで検索を

することに致しましょう。

(出願公開で検索します。)

 

 すると、以下のようになりました。

 

f:id:oukajinsugawa:20180129163821j:plain

 

 10件以上の出願企業を表示させていま

すが、さすがに、どこのタイヤメーカー

さんも開発に勤しんでいるんですね。

(海外メーカーが少ないのは、日本への

出願が少ないだけと思います。)

 

 それでは、時系列ではどのようになって

いるのでしょう。(年度が重なってしまって

ごめんなさい。出願年度です。)

 

f:id:oukajinsugawa:20180129163848j:plain

 

 早くから開発を始めていた企業もあり

ますが、近年、開発が加速されている

のがわかりますね。

 

f:id:oukajinsugawa:20180129163939j:plain

 

 研究課題を見てみると、乗り心地を

良くする弾性対策、リム、スポーク形状、

トレッドパターン、材料組成などの研究を

おこなっているようです。

 

 ちょっとだけ各社のタイヤを貼り付け

ると以下のようになっています。

 

・ 特開2018-008692「住友ゴム工業

 

f:id:oukajinsugawa:20180129164009j:plain

 

・ 特開2018-002142「グッドイヤー

 

f:id:oukajinsugawa:20180129164033j:plain

 

・ 特開2017-165159「ブリヂストン

 

f:id:oukajinsugawa:20180129164102j:plain

 

・ 特開2017-165119「本田技研

 

f:id:oukajinsugawa:20180129164127j:plain

 

・ 特開2017-100640「東洋ゴム

 

f:id:oukajinsugawa:20180129164153j:plain

 

 ちなみに、各社特許出願でのタイヤの

呼び方が違っていて、住友ゴムは、「非

空気式タイヤ」、グッドイヤーとブリヂス

トン「非空気入りタイヤ」、本田技研

「エアレスタイヤ」、東洋ゴム「非空気圧

タイヤ」などとなっています。

 

 乗り心地のよいエアレスタイヤを早く

開発して欲しいものです。