知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

抗ウイルスカーテン、ルミレッシュですか?

 東京理科大学長の藤嶋先生が、2017年度

文化勲章を受章した話が出ています。

 

diamond.jp

 

 開発した光触媒が、今年で50周年を迎える

そうですが、山陽新幹線や、成田国際空港

一戸建て、日光東照宮ルーブル美術館、クフ

王の大ピラミッド!、国際宇宙ステーション

等々、いろんなところに使われているん

ですね。

 

 光触媒は、抗菌、抗ウイルス、防汚、防曇、

脱臭、大気浄化などに使われるそうで、記事

では、昭和電工の可視光応答型光触媒「ルミ

レッシュ」を使った、リリカラ株式会社の抗

ウイルスカーテンや、土佐和紙壁紙土佐ライト

などが紹介されています。

 

 なるほど検索すると、以下のようになって

います。

 

www.lilycolor.co.jp

 

www.tosawashi.com

 

 ということで、藤嶋先生の発明ではなくて、

昭和電工さんの特許出願のほうを調べると、

光触媒関係は90件も出てきて、たとえば、

以下のようなものがあるんです。

 

・ 特開2016113417「抗ウイルス性組成物、

抗ウイルス剤、光触媒およびウイルス不活性化

方法」

【課題】

 明所において優れた抗ウイルス性を発現する、

抗ウイルス性組成物、抗ウイルス剤および光

触媒、ならびにウイルス不活性化方法を提供

する。

 

【解決手段】

 本発明の抗ウイルス性組成物は、BiVO4を

担持したシリカ被覆酸化チタンと、2価銅化合

物とを含有する。本発明のウイルス不活性化

方法は、本発明の抗ウイルス性組成物、

本発明の抗ウイルス剤または本発明の光

触媒を用いてウイルスを不活化する。

 

・ 特開2016-215157「酸化チタン系光触媒

製造方法」

【課題】

 高い光触媒活性を示し、特に、空気存在下で

の水溶液中の有機物分解能及び水分解能に

優れた酸化チタン系光触媒の製造方法を提供

する。

 

【解決手段】

 ビスマス化合物を含むアルコール含有水系

溶液に酸化チタン原料粉末を加えて懸濁液を

調製する懸濁工程と、前記懸濁液に紫外光を

照射して酸化チタン表面にビスマスを析出させ、

得られたビスマス担持酸化チタンを残液から

分離する担持・分離工程と、前記担持・分離

工程で得られたビスマス担持酸化チタンを洗浄

及び乾燥して、ビスマス担持酸化チタン系光

触媒粉末を回収する回収工程とを含む、酸化

チタン系光触媒の製造方法。

 

・ 特開2017-128836「抗ウイルス性壁紙」

【課題】

 抗ウイルス性を有する光触媒を含有する

抗ウイルス性壁紙であって耐チョーキング性に

優れ、かつ、生産性にも優れた抗ウイルス性

壁紙あり、光触媒を用いながらも可塑剤移行

防止層およびバリア層を設ける必要が無い

優れた壁紙の提供。

 

【解決手段】

 基材と、樹脂層と、表面処理層とを有する

抗ウイルス性壁紙であって、表面処理層は、

表面処理層用樹脂と光触媒とを含有する表面

処理層形成用組成物から形成され、光触媒

酸化チタンと銅化合物から成る組成物である、

抗ウイルス性壁紙。

 

・ 特開2017-155368「繊維加工用樹脂組成物、

それを用いた布帛

【課題】簡便な方法により、良好な抗ウイルス性

及び耐洗濯性を同時に付与することのできる

繊加工用樹脂組成物、それを用いた布帛を提供

する。

 

【解決手段】

 アクリル樹脂(A)、光触媒(B)及び水性媒体

(C)を含有し、前記光触媒(B)が、結晶性ルチ

ル型酸化チタンを含む酸化チタンと2価銅化合

物とを含有する光触媒であり、前記アクリル

樹脂(A)100質量部に対して、前記光触媒

(B)を3~50質量部含有し、前記アクリル樹脂

(A)の原料となる重合性単量体全量中の2個の

カルボキシル基を有する重合性単量体(a1)の

比率が0.5質量%以上かつ1個のカルボキシル

基を有する重合性単量体(a2)の比率が2.8

質量%以下であることを特徴とする繊維加工用

樹脂組成物を用いる。

 

 昭和電工さんて、いろんなことをやっているん

だね、などと言っているのは、私だけ??