知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

うんこで水素でFCV

 小学生向けの「うんこ漢字ドリル」が

売れてるんですってね。

 

 子供って、うんことかって言葉が好き

ですもんね。(私も大好きです!!)

 

 「おなら漢字ドリル」や、「うんこしり

とり」、「うんこノート」などもあるよう

ですが。

 

 ということで、新聞に、うんこで車を走ら

せる実証実験が酪農地帯の北海道十勝平野

始まった、という記事が出ていました。

 

 家屋が見えない畑と林が広がる大地に、

乳牛のふん尿処理設備と水素ステーション

施設ができているそうで、北海道鹿追町

環境保全センターというんだそうです。

 

www.town.shikaoi.lg.jp

 

 このセンターでは、家畜のふん尿から

水素を取り出す実証実験が今年の1月

から始まったそうで、実施者が、鹿追町、、

産業ガス大出のエア・ウォーター、鹿島、

日鉄住金パイプライン&エンジニアリング

などなんだそうです。

 

 作った水素は水素ステーションで高圧に

し、FCV(燃料電池車)やFCVフォークリフト

などに充填し、このほかにも、家庭や店舗

でも使い、鹿追町が名産品にしようとして

いるチョウザメ養殖施設の電源や給湯熱源

にも使用するんだそうです。

 

 なんでも日本全体の家畜ふん尿をすべて

水素にしたとすると、ざっと300万台程度の

自家用車の燃料をまかなうことになるんだ

そうですよ。

 

 新聞では、水素の発生方法は、ふん尿を

発酵させ、このバイオガスからCO2を取り

除き、残ったガスと水蒸気をを反応させて、

水素を作ると説明されていますが、うんこを

水素にする発明がどんなものがあるか、

ちょっと調べてみましょう。

 

 そうすると、以下のような物があります

ので、ちょっとだけ見てみましょう。

 

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・ 資源リサイクル型住居

【課題】

 外部から水や電気の供給を受ける必要

がなく、また、糞便やゴミ等の排泄物を自己

のうちで処理することのできる資源リサイ

クル型住居を提供する。

【解決手段】

 キッチンやトイレ等の人の生活に必要な

設備を収容する筺体1と、この筺体の上面に

設置された軽量養土地盤2と、前記筺体の

側面に設置された太陽電池8と、前記筺体に

付設された貯水タンク3と水処理装置6と

堆肥化装置7と水素発生装置4と燃料

電池5とを備えた構成とする。また要すれば、

筺体は車輪9と可変長の支柱10とを備えた

構成とする。

 

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 「ほーほー、なるほど」、と、のはら

しんのすけ状態なわけですが、残念ながら、

この発明は水素発生装置などは既成の

ものとして書かれており、どのように水素を

取り出すかは書かれていませんね。

 

・ バイオマス資源を有効利用するための

処理システム及び処理方法

株式会社還元溶融技術研究所

【課題】

 バイオマス資源を段階的に処理して、

最終的な残渣をほとんど生じることなく、

メタンガス及び水素ガスを効率よく生成・

回収するとともに、特に、高価な木酢液と、

ガス吸着性に優れた硬質の炭化物(炭化

材)の生成・回収をも可能とするバイオマ

ス資源を有効利用するための処理シス

テム及び処理方法を提供する。

【解決手段】本発明の処理システム1は、

植物、畜産物、魚介類またはそれらの

廃棄物、あるいは生ゴミや畜産物の糞

などの汚物を含むバイオマス資源を、

非酸化性雰囲気で320℃超え400℃

以下に加熱し、木酢液、メタンガス及び

炭化物含有残渣を生成し、木酢液及び

メタンガスを分別回収する低温炭化装置

2と、低温炭化装置2で生成した炭化物

含有残渣を、非酸化性雰囲気で580℃

超え1000℃以下に加熱して、炭化物

及び水素ガスを生成し、炭化物と水素

ガスを分別回収する高温炭化装置3とを

具えることを特徴とする。

 

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・ バイオマス資源を有効利用するための

処理システム及び処理方法

東京エレックス株式会社

【課題】

 バイオマス資源から生成したメタンガスを

熱分解して水素ガスを生成・回収する際に

必要な熱エネルギーを、外部燃料や外部

エネルギーに依存することなく、得ることが

できるバイオマス資源を有効利用するための

処理システム及び処理方法を提供する。

【解決手段】本発明の処理システム1は、

植物、畜産物、魚介類またはそれらの廃棄物、

あるいは生ゴミや畜産物の糞などの汚物を

含むバイオマス資源を、35~60℃で加熱して

消化液及びメタンガスを生成させるメタン発酵

装置2と、該メタン発酵装置2で生成したメタン

ガスの一部を、酸素含有ガスとともに燃焼

させて熱エネルギーを生成する燃焼装置3と、

前記メタン発酵装置2で生成したメタンガスの

残部を、該燃焼装置3で生成した熱エネルギーを

利用して熱分解し、水素ガスを生成・回収する

ガス改質装置4とを具えることを特徴とする。

 

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 発明の名称は、上と同じですが、方法は、

上とは違うようです。

 

・ バイオガス発生装置およびバイオガス

発電システム

【課題】

  一般家庭や事業所で排出される生ごみ、

糞尿、汚水を一括処理でき、発生したメタン

ガスや処理後の水を有効利用可能なバイオ

ガス発電システムを提案すること。

【解決手段】  バイオガス発電システム1は、

バイオガス発生装置2と、ここから発生する

メタンガスから抽出した水素ガスを燃料とする

燃料電池4とを有している。バイオガス発生

装置2はバイオリアクタ13と合併浄化槽14が

連結又は一体化されており、生ごみ、トイレの

洗浄水がバイオリアクタ13で醗酵分解処理

された後に合併浄化槽14で処理される。

台所、風呂からの排水や手洗い水などの

雑排水は合併浄化槽14で浄化処理される。

イオリアクタ13で発生したメタンガスから

抽出した水素ガスは燃料電池4に供給され、

一般家庭で消費される電力の電力源として

利用され、合併浄化槽14から排出される

水はトイレの洗浄水、庭木の散水などとして

用いられる。

 

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・ バイオマスから水素を生産する方法

【課題】

 家畜排泄物や食品残渣等の廃棄物バイオ

マス及びサトウキビ等のエネルギー作物由来

バイオマスを原料として水素を生産すること。

【解決手段】

 上記バイオマスを原料とし、種菌となる複合

嫌気性微生物群の存在下に、71℃~79℃

(好ましくは75℃)の温度範囲において、その

原料を嫌気条件で加熱することによって、水素

資化細菌の活性を抑制し、非常に簡便な手法・

装置で水素を生産し、回収できる。複合嫌気性

微生物群として、畜糞、コンポスト、活性汚泥

及び嫌気性処理槽の汚泥等が例示できる。

 

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・ 水素生成方法

【課題】

 イオウの供給源となり得る無機成分を

含んだ無機/有機混合廃棄物を用いて、

硫化水素ガスの発生を阻止又は抑制

しつつ水素ガスを発生させる水素生成

方法を提供する。

【解決手段】

 (イ)イオウ源、有機成分および水分を

少なくとも含んでなる処理対象物、並びに、

(ロ)嫌気性条件の下で硫化水素を発生

させ得る嫌気性微生物、が併存する環境

中に、酸化亜鉛を投入することにより、嫌気

性条件の下で硫化水素の発生を阻止又は

抑制しつつ水素を発生させる。好ましくは、

酸化亜鉛は溶解ダストの形態で提供される。

また、処理対象物は、廃石膏ボード、排水

汚泥、下水汚泥または家畜糞尿である。

 

 こう見てみると、うんこから水素を発生

させる根本的な方法は同じでも、詳しく

見てみると、いろんな方法があるんですね。

 

 ほうほう、うんこ、おそるべしだゾ!!

(と、またまた、クレヨンしんちゃん状態な

わけでして。)