知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

ココカラケア?

www.calpis-shop.jp

 

 「ストレス社会を生きるあなたに。」と

書いてありましたので、「心からケア」

かと思ったら、「ここからケア」なんですね。

 

 商標登録は、5844626「ココカラケア」、

登録日2016年4月、標準文字商標で、

権利者はアサヒカルピスウェルネス株式

会社さん、指定商品は、「サプリメント」だ

そうですよ。

 

 C-23ガセリ菌というのは正式名称ラクト

バチルス・ガセリCP2305株というんだ

そうで、出願公開を調べると、迷走神経を

活性化させるそうですね。

(以下は、カルピス株式会社の出願公開)

 

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 WEBで迷走神経を調べると、以下だそう

です。

 

迷走神経(めいそうしんけい)とは - コトバンク

 

 特開2015-096542によると以下だそう

ですよ。

 

【課題】

 迷走神経の求心枝を活性化するための

有効な手段及び方法を提供すること。

 

【解決手段】

 乳酸菌の菌体及び/又は乳酸菌の処理物を

有効成分として含有する脳血流改善剤。

 

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

  本発明は、迷走神経活性化剤、具体的には

乳酸菌を含む迷走神経活性化剤に関する。

また本発明は、該迷走神経活性化剤を含む

機能性食品の製造方法、対象における迷走

神経を活性化する方法、並びに脳血流を改善

するための医薬組成物に関する。

 

【背景技術】

【0002】

  迷走神経とは胸腹部の内臓を支配する

副交感性の神経の総称であり、特に迷走

神経の求心性神経は、腹部内臓で感知した

外部情報を延髄孤束核や中枢神経に伝達

する役割を担っている。

 

【0003】

  迷走神経性の脳血流変化は医学的に

知られるところであり、脳血流の変化に

よって脳機能を改善することができると

考えられる。また、迷走神経の求心枝

活性化は、血圧低下に作用し脳血流を

部分的に低下させ、不眠症や睡眠の質

改善に関与すると考えられる。さらに迷走

神経の求心枝活性化は、胃内容排出の

抑制、PYY、CCK、レプチンの分泌制御に

関与し、満腹の感情、及び摂食行動と

代謝を抑制することが知られている

(非特許文献1~3)。従って、迷走神経の

求心枝の活性化により、脳血流改善、

脳機能改善、睡眠改善、摂食抑制などが

期待できる。

 

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【0077】

  ストレス下にある健常人32名を2群に分け、

乳酸菌CP2305株から製造された乳酸菌飲料

(加熱殺菌)200ml又はプラセボ飲料(乳酸にて

改変調整した未発酵乳)を35日間連続して

摂取させ、摂取前後の健康状態に関して評価を

実施した。摂取前後で睡眠の質に関する

質問票を回答させ、スコアの比較を実施した。

また、糞便中細菌叢の解析を実施し、腸内

有害菌の1種であるバクテロイデス・ブルガ

タスの構成比を調べた。

 

【0078】

  その結果を図7~9に示す。図7は睡眠の

質についてのスコア変化を示し、図8は寝付き

についてのスコア変化を示し、図9は糞便中の

バクテロイデス・ブルガタスの構成比変化を示す。

これらの結果では、CP2305株摂取は、睡眠の

質及び睡眠導入に関して改善が認められ

(図7及び8)、腸内バクテロイデス・ブル

ガタスの構成比に関しても抑制が認められた

(図9)。

従って、乳酸菌摂取による睡眠改善の効果が

示された。

 

【産業上の利用可能性】

【0079】

  本発明により、迷走神経活性化剤が提供される。

本発明の迷走神経活性化剤は、迷走神経活性

化作用を有するため、脳血流改善、脳機能改善、

睡眠改善又は摂食抑制などの効果を奏し、

医薬又は健康飲食品に使用することができる。

従って、本発明は、医薬品、飲食品、畜産などの

分野に有用である。

 

 ちなみに、アサヒカルピスウェルネス株式

会社 は、株主がアサヒグループホールディン

グス株式会社で、アサヒグループホールディン

グスからも、CP2305を使った以下の特許が

登録されています。

 

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