知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

自動車危険通知システム

 またもや、国立研究開発法人科学技術

振興機構(JST)が主催する「新技術

説明会」の案内が来ていましたので、

見てみましょう。

 

 今回は岩手県立大学だそうで、8月8日

だそうですね。

 

https://shingi.jst.go.jp/kobetsu/iwate-pu/2017_iwate-pu.html

 

 このうち、鈴木先生の、「目や耳に

とらわれない直観的な自動車危険通知」

というのを見てみましょう。

 

 発明は、特開2016-207097「運転者への

状況伝達装置」というもので、

 

【課題】

 障害のうち、特に、運転者が気づいてない障害を

伝達することが可能な、運転者への状況伝達装置を

提供する。

 

【解決手段】

 状況提供装置10は、運転者に対して車両、歩行者

などの障害物となる情報を検知する検知手段11と、

座席シートに取り付けられ、運転者の触覚を刺激する

刺激提供手段12と、検知手段11からの検知信号を

受け、運転者へ伝達する必要性がある場合には、刺激

提供手段12を駆動する駆動制御手段13と、を備え、

駆動制御手段13により刺激提供手段12から

運転者に刺激を与えることにより、運転者へ周囲

状況を伝達する。

 

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【0002】

  従来、運転者が乗車している車両(これを

自車両という)のサイドやバックにある車両の

有無の確認は、運転者自身による振り返り動作、

車両に取り付けられたドアミラーやルーム

ミラーを用いてなされ、運転者の視覚情報に

よっている。また、近年では、車両の周囲に

カメラやレーダその他のセンサを一又は複数

種類取り付け、周囲の自動車や障害物などの

検出を行なっている。

 

【0003】

  自車両の周囲に存在する複数の障害物に

関する情報を運転者に伝える方法として、

例えば特許文献1乃至3がある。特許文献1

では、レインマーカに対する自車両のリスク

ポテンシャルと後側方車両に対するリスク

ポテンシャルとを算出し、算出したリスク

ポテンシャルは、運転席の形状を変化させ、

運転席のサイド部を運転席に押し付ける

ことで伝達する。

 

【0004】

  一方、ナビゲーションシステムにおいて、

特許文献4では、交差点を通過するときの

誘導方向を運転者用シートに取り付けた

振動を駆使したり、特許文献5では運転の

煩わしさを感じさせずに適切に先行車の

先行車発進警告を発したりして、運転者に

注意を喚起している。

 

【0006】

  しかしながら、特許文献1乃至3のように、

運転席の形状を変化させてもその運転者には

周囲情報を伝達し難い場合がある。また、

運転者への伝達の仕方が一義的になって

しまい、さまざまな障害に応じて伝達する

ことが難しい。

 

【0007】

  そこで、障害のうち、特に、運転者が気づいて

ない障害を伝達する、運転者への状況伝達

装置を提供することを目的とする。

 

 ということで、上記の先行文献は以下だそう

ですよ。(すべて登録されています。)

 

・ 特開2005-145292 2005-346372 2006-113815

「車両用運転操作補助装置および車両用運転操作

補助装置を備えた車両」 日産自動車

【0002】

 この装置は、アクセルペダルを振動させることに

より、異常接近状態を音響表示あるいは光学的

表示に加えて運転者に体感的に伝達するもので

ある。

 

・ 特開2000-221051「ナビゲーションシステムの

報知装置」 マツダ

 

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・ 特開平11-316898「車両前方監視装置」

 日産自動車

 

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 危険通知方法もいろいろ考えられているん

ですね。(まだ実用化はされていないように

思いますが。)