知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

IMUZAKさんのモスアイ技術

 モスラ見てました?

 

 「バカヤロー、オレは、そんな年じゃー

ねーY。」というご意見ごもっとも。

 

 ザ・ピーナツの歌で、「モッッスラーや、

モッスラー、ドンガッカッカークや、いん

のーるー」と、子供時代歌っていましたが、

実際の歌詞は、違うようですね。

 

 私の故郷の英雄、円谷英二さんが特技

監督をやっていて、1961年7月30日に

公開されたそうですが、その頃は覚えて

いるはずはありませんので、私のような

田舎には、何度も何度も上映されて古く

なったフィルムが何年もたってから来た

時に、見たのかもしれません。

(私の故郷の英雄は、あとは、東京オリン

ピックのマラソンで銅メダルの、円谷幸吉

選手くらいしかいませんが。)

 

 ということで、今回はモスラの話をすん

のか?というとちょっと違って、バイオミメ

ティクス(生物模倣)の話です。

 

 シャープさんの液晶テレビで、モスアイ

パネルというのがありますね。

 

 「モスアイ」というのは、DNP(大日本

印刷)さんの登録商標なわけでして。

 

f:id:oukajinsugawa:20170627155010j:plain

 

 どういうパネルかというと、蛾(モスmoth)と

いうのは、夜飛び回るために、目が光を反射

すると敵にわかってしまうため、反射しない、

すなわち目の表面に微細突起が無数にあり、

反射を抑えるようになっているのですが、この

パネルは、これを応用し、外光反射を抑え、

映り込みが少なく黒が強調されるようになって

コントラストの効いたパネルなんだそうですね。

 

http://www.sharp.co.jp/aquos/lineup/xl9/80xl9/picture.html

 

 じゃあ、このモスアイ技術を使っているのは

他にないのか?というと、他にもいろいろ

あり、特開2016-107484「微細な溝を形成し

た金型、及びその製造方法」というのも

そのひとつです。

 

 これは、光学設計などを手掛けるIMUZAK

(イムザック)というところの発明で、以下の

ように光の反射を減らせる構造なんです。

(出願人と発明者はIMUZAK代表取締役

澤村一実さんです。)

 

http://imuzak.hp.gogo.jp/pc/

 

 新聞によると、車のセンターメーターの

カバーや、カー・ナビゲーション・システム

(カーナビ)の画面カバーなどに使えば、

光の反射や映り込みを減らせて表示情報を

見やすくできる、ということで、自動車メーカーと

共同で開発を進めており、2020年までに実用

化したいと書かれています。

 

 新聞によると、蛾と同じように、突起高さ約

200ナノメートル、間隔も約200ナノメートル

突起をポリカーボネート(PC)樹脂の表面に

転写できる金型の開発に成功し、金型の形状を

変えれば曲面のカバーを成形することも可能に

なり、現在は1インチ角の大きさにしか樹脂の

成形ができないが、今後は金型を拡大する技術

開発を進めていくんだそうです。

 

 出願公開を見てみると、

 

 

 【課題】

  反射防止構造を有する製品を成形可能であり

ながらも、リソグラフィ技術やエッチング技術

以外の方法で製造する事のできる成形用金型、

及びその製造方法を提供すること。

 

【解決手段】

  成形面によって物体を成形するための成形用

金型であって、当該成形面の一部または全部には

メッキ加工が施されており、当該メッキ加工に

よって形成された均一な厚さのメッキ層には、

ピッチが400nm以下で、且つ深さが400nm以上の

溝部が、切削加工によって複数形成されており、

当該溝部、又は当該溝部同士の間に存在する

突起部の形状は、溝部の延伸方向に交差する

向きの縦断面形状において、端部が尖っている、

微細溝を備えた成形用金型とする。

f:id:oukajinsugawa:20170627155026j:plain

 

f:id:oukajinsugawa:20170627155037j:plain

 

 

 f:id:oukajinsugawa:20170627155046j:plain

 

となっています。

 

 早く実現するといいですね。