知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

ベネクスさんちとビジョンさんちのリカバリーウエア

 着て疲労を回復するリカバリーウエアと

いうのがあるんですってね。

 

 この前、日経産業新聞で、デサント

スキンズRY400」というのと、ゴールド

ウインの「C3fitリポーズ」、ベネクス

リカバリーウエア」というのが取り上げ

られていました。

 

 デサントさんと、ゴールドウインさんは

よく知っていますが、ベネクスさんという

のは聞いたことがありませんでしたので

(私が知らないだけで、有名なのかも知れ

ませんが)、ちょっと調べてみましょう。

 

 そうすると、以下のようになり、設立

2005年、本社は神奈川県厚木市、資本金

1千万円、となっています。

 

https://www.venex-j.co.jp/

 

 新聞によると、このウエアは、ナノレベルの

プラチナなどの鉱物を配合した繊維を使い、

鉱物が発する微弱な電磁波で副交感神経に

作用し、血流を促し、疲労回復や安眠に

つながるんだそうです。

 

 血流拡大で体が暖まるため需要の中心は

冬なのですが、夏用に開発したフリーフィール

クールというのを発売し、通気性や速乾性を

高めたんだそうですね。

(と、新聞に書いてありました。)

 

 ということで、どんな発明か調べると、

特許4409621(再表2009/041302)「ナノ

サイズダイヤモンド及びプラチナナノコ

ロイドを含有する繊維及びそれを用いた

寝具」というもので、外国でも権利化され

ています。

 

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 詳細な説明を見ると、以下だそうですよ。

 

【0002】

  波長3~1000μm程度の遠赤外線は、

物体の分子にエネルギー(C-C結合、C-O

結合、C-H結合等に由来する振動)を与えて、

物体を温める温熱効果を有することが知ら

れている。さらに、遠赤外線は比較的物体の

内部にまで浸透するために、物体表面を必要

以上に加熱することなく物体内部の温度を

上昇させることが可能である。従来から、

このような遠赤外線の温熱効果を利用した、

保温性に優れた繊維、衣服、寝具等の開発が

行なわれている。遠赤外線の温熱効果は、

遠赤外線を放射する特性を有する成分を

繊維に配合することにより、得ることが

できる。

 

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

  従って、本発明の目的は、優れた遠赤外線

放射効果を発揮する繊維及びそれを用いた

寝具を安価に提供することである。

 

【課題を解決するための手段】

【0006】

  上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者

らは、繊維にナノサイズダイヤモンド及びプラ

チナナノコロイドを含有させることにより、

繊維の遠赤外線放射量が著しく増大することを

見出し、本発明に想到した。

 

【0007】

  すなわち、本発明の繊維は、ナノサイズダイヤ

モンド及びプラチナナノコロイドを含有する

ことを特徴とする。

 

 この権利者は、ベネクスさんと、ビジョン

開発株式会社となっており、ビジョンさんは、

以下のようにナノダイヤモンドなどを取り扱って

おり、この技術を、衣服に応用したんですね。

 

http://k-vision.sakura.ne.jp/

 

 ビジョンさんでは、このほかに、特許4953323

グラファイト系炭素とダイヤモンドとからなる

粒子を含有する繊維及びそれを用いた寝具」と

いうものもあり、以下だそうです。

 

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 ビジョンさんは、プロジェクター用透明

ガラスや透明スクリーン関係の発明も多数

ありますので、興味のある方は、検索して

みてください。