知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

実用新案黎明期

 今回は実用新案の最初の登録を見てみま

しょう。

 

 まずは、いつもの最初の画面から、以下の

ように入りましょう。

 

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage

 

 

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 調べるために、以下のように、「登録実用

新案明細書(Z)」にして、1から10まで、

えっちらおっちら打ち込んでみましょう。

 

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 「おら、そんなのいやだー。 おら、いっ

ぺんに調べたいから、1から100まで一遍に

入れるんだー。」、という方は、是非どうぞ。

 

 ただし、入力できる最大文字数は決められて

おり、スペースを含めて200文字しか入りま

せんので、1から100まで入れても登録番号

70番目までしか出てきませんし、もし101件

以上入力しても、「おいおい、そんなの検索

したくねーよ。」、と、プラピ(J-PlatPat)

さんに、怒られてしまいます。

 

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 ということで、最初の「実明1」をクリック

すると、以下のようになりました。

 

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 次をクリックすると、第2号はネズミ捕り

なんですね。

 

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 実用新案法は、明治38年3月15日に公布

され、同年7月1日より施行されていますので、

最初の出願は7月1日、登録は、七夕の日

(あまり関係ないですが)、と、随分早く

登録されたんです。

 

 最初の実用新案法は、第21条で、「出願

したら、特許局長は、審査官に審査させてね。」

となっていますので、審査官も最初という

ことで、気合いが入ったのでしょうか?

(きっと違うと思いますが。)

 

 尚、当時の実用新案法では、第19条で、

「特許出願や意匠登録出願をして拒絶査定に

なっちゃったら、最初の査定の謄本を受けた日

から30日以内に、これを実用新案登録出願

することができまっせ。」となっていて、

「この場合には、この出願日は、前の出願日と

みなしてやるよ。」となっていました。

 

 ちょっと違いますが、現在の、出願の変更の

ようなものがあったんですね。

 

 それでは、実用新案のほうも、工業所有権

制度百年史から、当時の出願状況などを見て

みましょう。

 

 尚、特許の旅シリーズの最初に、特許登録の

状況をグラフで示しましたが、出願状況は示

しませんでしたので、併せて、特許のほうも

見てみましょう。

 

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 最初の頃の特許出願の登録率は、大分

低かったのがわかります。

 

 玉石混交だったのでしょうか?

 

 当時の審査官も、しっかり調べていたん

ですね。

 

 現在の実用新案登録出願数は、非常に

少なくなっていますが、当時の出願数は

四法の中でも一番多く、もっとも使い勝手が

良いものだったようです。

(一番最近の特許出願統計データは

6月20日作成の以下となります。

 

http://www.jpo.go.jp/shiryou/toukei/pdf/syutugan_toukei_sokuho/201704_sokuho.pdf

 

 

 ちなみに、上の統計とはちょっと違いますが、

工業所有権制度百年史を作成した特許庁

OBの冨田徹男さんという方が、書いてお出

での記事がありますので、ご参考にどうぞ。

(WEBを調べると、冨田さんは、惜しくも

お亡くなりになっているようです。)