知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

J-PlatPatで、日本で最初に登録された商標を調べてみよう

 特許法の前身の専売特許条例は明治

18年4月18日に公布され、同年7月

1日から施工されたわけですが、それ

では、商標法はどうか?というと、明治

17年6月7日に商標条例として公布され、

同年10月1日より施行されており、特許

法より古いんですね。

 

 それでは、実用新案法はどうか?と

いうと、明治38年3月15日に公布され、

同年7月1日より施行され、意匠法は、

明治21年12月18日に意匠条例として公布

され、翌年2月1日より施行されています。

(実用新案法は、最初から名前が変わって

いません。)

 

 ということで、この知られざる特許の旅

シリーズでは、以下のように、主に、一番

最初の登録特許などを取り上げていますが、

今回は、最初に登録された実用新案、

意匠、商標などを調べてみましょう。

 

特許の歴史 カテゴリーの記事一覧 - 知財アナリストのひとりごと

 

 尚、現在登録されている一番古い商標は、

以下を見てください。

 

oukajinsugawa.hatenadiary.jp

 

 それでは、まずは、商標から見てみましょう。

 

 プラピ(J-PlatPat)さんでどのように調べる

のか?というと、まずは以下から入りましょう。

 

https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage

 

 

f:id:oukajinsugawa:20170618150356j:plain

 

 

  次に、番号単独入力で番号を入れても

よいですが、面倒ですので、登録番号1番から

100番めまでを調べるとして、番号範囲指定の

ほうに、以下のように入れましょう。

 

f:id:oukajinsugawa:20170618150416j:plain

 

 そうすると、以下のように100番目までが

出てきます。

 

f:id:oukajinsugawa:20170618150523j:plain

 

 この後は、マクロなどを使って、自動で

ページをめくってもよいですが、以下のように、

「バッキャロー、自動でアクセスすんじゃ

ねーよ。 とんでもはっぷん。」(古いです

ね。)と、プラピさんに怒られてしまいます

ので、仕方がありませんので、1件1件、しこ

しこ見て行きましょう。

 

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 まずは、登録の一番目です。

 

 この一番目のものは、上の公報誌「とっきょ」

平成29年4・5月号にも書かれています。

 

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 1ページに第4号までが書かれていますが、

すべて、商標条例施行日の明治17年10月

1日に出願され(ご祝儀相場? ちょっと、

違うと思いますっ!!)、明治18年6月2日に

登録されているのがわかります。

 

 最初の頃の商標は、図形が多く、薬が多

かったのがわかります。

 

 それでは、次の5番目を見るとして、商標

登録0000005をクリックしてみましょう。

 

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 やっぱり薬で、施行日に出願されたもので、

登録されたのは、6件だったのがわかります。

 

 その後の登録されたものも、同じように見る

ことができますので、興味のある方は見て

いただくとして、それでは、これらの施行日

初期の統計的なものが、特許庁で、1984年に

出した工業所有権制度百年史に詳しいです

ので、見てみましょう。

 

 ちなみに、この書籍は、現在では、古本でも、

出回っていないようで、国会図書館や、特許庁

図書館などでしか閲覧できないようです。

(私は、以前に、古本で購入しました。)

 

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 出願は、明治17年の御祝儀相場?から

次年度では減少していますが、波はあるものの、

出願が増加しているのが分かります。

 

 制度初期の商標「登録」件数上位5分類は

以下だそうですよ。(やはり、工業所有権制度

百年史データからグラフを作成。出願件数も

知りたいところですが、出願詳細の記載は

残念ながらありません。)

 

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 薬が多いのかと思いましたが、飲み物とか

もっと身近な日々に用いるものが多かったん

ですね。

(ちなみに、木棉綿というのは、もめん綿の

ことです。)

 

 ということで、続く。