知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

無添くら寿司、鮮度くん??

oukajinsugawa.hatenadiary.jp

 

 以前に、上のように回転寿司について書き

ましたが、一昨日、所さんの番組で、くら寿司

さんを取り上げていました。

 

 番組では社長さんに焦点を当てて放送して

いましたが、社長さん、なかなかアイデア

マンだそうで、取った特許の数が48だ、

などや、2016年度には顧客満足度レストラン

チェーン部門日本一に輝いた、などとやって

いました。

 

 調べると、なるほど、くら寿司さんで出し

ている特許出願の発明者が社長さん単独の

ものが多いんですね。

 

 売上高を見ると、前回取り上げたときは、

平成26年10月期で、連結売り上げ969億円

でしたが、今回の平成28年10月期では、1,136

億円と、大幅に売り上げを伸ばしています。

 

 ということで、テレビで取り上げていた

のは、社長さんの発明の、皿の回収システム、

すなわち、女性も周りにどれだけ食べたかを

悟られず好きなだけ食べることができ、皿を

5枚入れるごとにゲームをできるようにし、

子どもも楽しめ、回収されたお皿はレーンの

下を通って厨房に運ばれ、店員は運ばれた皿を

自動洗浄機に置くだけなので人件費の削減や

客席に皿が溜まらず皿を最小限に抑えることが

できる、

 

というものや、

 

回転寿司は乾燥とホコリが大敵ですが、無添くら

寿司では、日本の鳥捕獲器からヒントを得て開発し、

特許も取得している、皿に透明のキャップ「鮮度

くん」を付けることで鮮度を保つことができ、

「鮮度くん」は出し入れの際にキャップに従業員も

お客様も触らず両者の接点を全く無くしている、

 

というようなものでした。

 

 「うん、うん。」とうなずいている、あなた、

 

そう、あなた、

 

「あなたは、くら寿司さんによく行く方ですね?」

 

 ということで、まずは、「鮮度くん」を見て

みましょう。

 

・ 商標登録5419903 「鮮度くん」

標準文字商標

指定役務:飲食物の提供,宿泊施設の提供

 

・意匠登録1433802、1433697、1433667

 「飲食物搬送用具」

 

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【意匠に係る物品の説明】

 本願意匠に係る物品である飲食物搬送用具は、

主として回転寿司店に設置されている循環搬送

装置の搬送路に載せて用いるものであって、皿を

載せるための載置台と、この載置台の上方に

おいて載置台の容器載置部上を覆うドーム状の

蓋が備えられたものである。蓋は開閉連動機構を

介して容器載置部に対して開閉可能に取り付け

られており、寿司が盛られた皿を載置台上に載せて

後方にむけて押し込むことにより、開いていた蓋が、

開閉連動機構の作動により下方に揺動して使用

状態の参考斜視図に見られるように皿の上に被さ

るようにしている。そしてこの状態から皿の周縁部を

手でつかんで皿を載置台に対して手前に引き出す

ことにより、閉じていた蓋が開閉連動機構の作動に

より自動的に上方に揺動して開き、皿を取り出す

ことが出来る。

 

・ 特許5933409「皿のカバー」

 

【課題】

 顧客や調理人がカバー本体に直接手を触れずとも、

皿への取り付け及び皿からの取り外しが容易に行な

えるようにした飲食物収容容器のカバーを提供する。

 

【解決手段】

 皿に載せられた飲食物を覆うカバー本体と、この

カバー本体に取り付けられる摘みとが備えられ、

摘みは、カバー本体の上面から上方に突出する

ように取り付けられるとともにカバー本体に対して

着脱手段を介して取り外し可能であり、また着脱

手段は、磁石とこの磁石に吸着可能な強磁性

から構成されて、前記磁石がカバー本体の上面に

取り付けられ、前記摘みが強磁性体から形成された。

 

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 次は、皿の回収システムです。

 

・ 特許3859962「皿回収装置」

 

【課題】

 客に強制することなく、自発的に空皿の回収に

参加させることができる皿回収装置を提供する

こと。

 

【0003】

 ところで、以上の寿司店においては、食べ終え

て各テーブルに残った空皿の枚数から客の支払い

代金を計算するのであるが、従来では、店員が

その都度テーブルまで出掛けて、各テーブルに

残った空皿の枚数を数えた上で、この空皿を

厨房に引き揚げて、洗浄を行うようにしている

ため、皿の回収及び洗浄に人手を要する不都合

がある。

 

【0004】

 そこで、本出願人は、先にテーブルと回収部との

間に皿回収水路を設けるとともに、水供給装置に

より、前記皿回収水路に前記回収部に向かう

水流を生じさせて、各テーブルに開口する投入路

から前記皿回収水路に投入される樹脂製の皿を、

前記水流に載せて前記回収部に回収するように

構成した皿の回収装置を提案している(特開平

7-262号公報)。

 

【発明が解決しようとする課題】

 しかしながら、上記の皿回収装置は、客がテー

ブルに設けられた皿回収部である投入口に空皿を

投入することを前提に構成されており、客の行動

如何によっては、投入口に空皿が投入されず、

テーブルの上に空皿が放置されたままになると

いう不都合がある。これに対して、店側においても

空皿の投入を客に強制することができず、結局

店員が客の代わりに空皿を投入口に投入しな

ければならないという手間があった。

 

【課題を解決するための手段】

 請求項1の発明は、飲食店においてテーブル

から食後の皿を皿回収部に回収する皿回収装置

であって、皿を所定の位置に回収する皿回収部と、

前記皿回収部に皿が回収されたことを検知する皿

検知手段と、皿検知手段で皿を検知した場合に

擬似乱数情報を発生する擬似乱数情報発生手段と、

擬似乱数情報発生手段により発生した擬似乱数

情報に基づいて、予め擬似乱数情報に対応付け

された所定の出力パターンを選択して出力する

制御手段と、を備えたことを特徴とする。請求項

2の発明は、制御手段は、擬似乱数情報発生

手段で発生する擬似乱数情報に対応付けた出力

パターンに関するパターン情報を予め記憶している

情報記憶手段と、擬似乱数情報発生手段で発生

した擬似乱数情報に基づいて情報記憶手段に

記憶されたパターン情報を選択的に入力し、

演算処理して出力パターンを出力する演算部と、

から構成され、制御手段の出力部には、演算部で

出力された出力パターンを表示する表示手段を

備えたことを特徴とする。請求項3の発明は、テー

ブルと回収部との間に設ける皿回収水路と、前記

テーブルから前記皿回収水路に皿を投入するための

皿回収部とを備えた皿回収装置であって、前記皿

回収部に皿が投入されたことを検知する皿検知

手段と、皿検知手段で皿を検知した場合に擬似

乱数情報を発生する擬似乱数情報発生手段と、

擬似乱数情報発生手段により発生した擬似乱数

情報に基づいて、擬似乱数情報に対応付けされた

所定の出力パターンを選択して出力する制御手段

とを備え、該制御手段は、擬似乱数情報発生手段

により発生した擬似乱数情報と予め当たり情報を

設定している当たり情報発生手段により設定されて

いる当たり情報とを比較し、該情報が一致した場合に

当たりを判定する当たり発生手段とを備えたことを

特徴とする。

 

 このほかにも、以下のような意匠登録などが

ありますよ。

 

・ 意匠登録1468887「メニュー板」

 

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・ 意匠登録1512864「飲料カップの搬送用ホルダー」

 

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・ 意匠登録1514688「椀用蓋止め具」

 

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・ 意匠登録1442488「飲食物搬送用具」

 

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・ 意匠登録1540479「カップ用蓋」

 

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 日ごろ何気なく目にしているものでも、いろんな

イデアの賜物なんですね。