知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

ゼブラさんのデルガードタイプER

 この前、オレンズネロのシャーペンの

話をしましたが、最近シャーペン頑張って

いますね。

 

oukajinsugawa.hatenadiary.jp

 

 ということで、以前にデルガードの話を

上のように書きましたが、今回は、逆さに

するだけで消しゴムが出て来るという

デルガード進化版シャーペンの、デル

ガードタイプERの話です。

 

ZEBRA | ゼブラ株式会社 | デルガード タイプER

 

 この発明は、出願が2015年6月25日、

公開が2017年1月12日、急いで審査

してもらいましたので、登録が2016年

11月25日で発行が12月14日という、

通常は、特許法64条第1項で、「特許

掲載公報の発行したものは公開しない

けど、それ以外は特許出願の日から、

1年6月経過で出願公開しろよなー。」

となっていますが、特許掲載公報が

出ても、すでに出願公開の準備がされて

おり、登録公報と、公開公報が両方

公開された典型的な例となっています。

 

 ということで、特許番号は6045651、

特開2017-7263「消しゴム付き筆記具」

となっています。

 

【課題】

 出没具を出没させる際の動作性を向上

する。

 

【解決手段】

  筆記具本体10の軸筒11の一端側に、

下方へ向けられた際に自重により前進して

突出状態になり上方へ向けられた際には

自重により後退して没入状態になる出没具

21を具備した出没具付き筆記具において、

前端側に出没具21を有するとともに筆記具

本体10に対し進退するように支持された

進退部材22と、筆記具本体10に対し進退

しないで自転するように支持された転動体

23とを備え、転動体23の外周面を進退

部材22の側面に接触させるようにした。

 

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 出没機構は、以下だそうですよ。

 

【0043】

  図1に示すように、出没具21が上方へ向け

られた初期状態では、出没具21が、ホルダー24

及び装飾リング25内に没入しており、側方か

らは目視されない。

  前記初期状態から出没具付き筆記具Aの

出没具21側を下方へ向けると、図4(a)(b)~

図5(c)(d)に示すように、進退部材22が

下方へスライドする。このスライドの際、進退

部材22のスライド軸22bに沿って転動体

23が転動するため、進退部材22が、直線

的にスムーズに前進し、その前進の際の

抵抗が少ない。

  そして、進退部材22が進退領域の前端

までスライドすると、図4(b)に示すように、

該進退部材22後端側の凹部22b1が、

貫通孔24b2の略中心線上に位置する。

  一方、進退部材22の前記スライドに追従

するようにして、係脱部材26も下方へスライド

する(図5(c)参照)。このため、転動体23が、

係脱部材26前端側内面に押されて軸筒径

内方向へ移動し、ホルダー24と進退部材

22との間に跨るようにして凹部22b1に

嵌り合う。

  したがって、出没具21が装飾リング2

から下方へ突出した状態において、進退部材

22が後退不能に係止される。

 

【0044】

  また、前記突出状態から出没具付き筆記具

Aの出没具21側を上方へ向けると、上記説明

とは逆の順序で、出没具21が没入することに

なる。

  すなわち、先ず、係脱部材26が後方へ移動

する。次に、転動体23が凹部22b1内の凹曲

状の斜面に押されて、凹部22b1外へ移動する。

このため、進退部材22の係止状態が解除され、

進退部材22が後退し、この後退により出没具

21がホルダー24及び装飾リング25内へ没入

する。

 

 そんなにしょっちゅう消しゴムを使って

いたら、すぐ無くなってしまいますね。