知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

USPTOで、米国特許を検索しよう その22 PCT371c124

 前回の続きです。

 

・ FMID:パテントファミリーID

 書誌的国際識別番号(INIDコード)では

ないため、PDF文献には表示されていま

せんが、以下のように、テキスト文献には

表示されており、検索方法は、以下。

f:id:oukajinsugawa:20170227163126j:plain

 

 

f:id:oukajinsugawa:20170227163150j:plain

 

 

f:id:oukajinsugawa:20170227163215j:plain

 

 尚、ISDNコード一覧表は、こちら

 

・ PARN:優先権の基礎となる出願

 

f:id:oukajinsugawa:20170227163345j:plain

 

 PARNの出願番号などを入れても、取下

擬制のものは出てきませんので、念の

ため。

 

・ RLAP

  同上。

 

・ RLFD

  同上。

 

・ PRIR

  同上。(外国)

 

・ PRAD

  同上。

 

・ PCT:PCT情報

  番号等の情報です。

 

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・ PTAD:PCT出願日

 

・ PT3D:PCT国内移行日

  PatFTでは「PCT371c124Date」

   AppFTでは「PCT Filling Document Date」  

  となっていますが、意味合いは同じです。

 

 「PCT371c124って、何だ?」という

ところですが、USの特許法を知らないと

背景がわかりませんので、ちょっとだけ

USの特許法を調べてみましょう。

(ちょっとだけよ???)

(「ばかやろー、そんなの調べなくても

わかるY。」という方は、読み飛ばして

ください。)

 

 まずは、特許法ってどこに書かれて

いるんだ?というと、1788年に発効した、

合衆国憲法、すなわち、United States

Code(USC:合衆国法典)の中の35巻

に書かれており、35 U.S.C.のように書か

れます。

 

 ということで、この原文は、USPTO

にも収められており、この371条は、

以下となっています。

 

https://www.uspto.gov/web/offices/pac/mpep/s1893.html#d0e189843

 

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 ちなみに、この日本語翻訳版は、特許庁

以下に収められています。

 

http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/fips/pdf/us/tokkyo.pdf

 

 まあ、上の日本語で見てもらったほうが

わかりやすいですが、371条から始まる

37章は、PCTの国内段階が定められて

おり、371条の(c)には、(1)で国内

手数料の支払い、(2)で国際出願の写しの

提出、(4)で宣誓書又は宣言書の提出が

必要なことが規定されており、

PCT371c124というのは、この35 U.S.C.の

371条(c)の(1)、(2)、(4)がおこ

なわれた日となるわけです。

 

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 ということで、ここで検索をかける

場合には、ほかと同じように、日にちの

フォーマットで入れましょう。

 

・ IN:発明者名

 

・ IC:発明者の市名(氏名の間違いでは

         ありませんので念のため)

   書かれている場合にはヒットしますが、

 たとえば日本の場合、Tokyoなどと書か

 れている場合があり、日本の場合には、

 あまり正確ではありません。

 

・ IS:発明者の州

 

・ ICN:発明者の国

  上の州もそうですが、カントリーコードを

 入れましょう。

 

・ AANM:出願人名

 

・ AACI:出願人の市

 

・ AAST:出願人の州

 

・ AACO:出願人の国

 

・ AAAT:出願人タイプ

  ベンチャーさんなんですか?とか

 小規模企業なんですか?とか書く

 ところですので、自分の好きな異性の

 タイプを書くのはやめましょう!!

(ギタリストの方も、いくら好きでも

ここにVenturesと書くのはやめましょう)

 

・ Assignee Name:譲受人

 以下は、書かなくてもわかるでしょう。

・ Assignee City

・ Assignee State

・ Assignee Country

 

 ということで、AppFTとPatFTの共通

項目を調べましたので、次回は、それ

ぞれで違う項目を調べていきましょう。

 

 それでは、また。