知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

キリンさんの、カフェインクリア製法

 昨年10月におこなわれた日本清涼飲料

研究会の総会・研究発表会で、キリン株式

会社さんが、「天然吸着剤を用いた茶飲料

からのカフェイン除去技術の開発」という

もので、全国清涼飲料工業会賞を受賞

していますね。

 

16.10.17 日本清涼飲料研究会 2016年度表彰

 

 なるほど、調べると、以下のようだそう

で、緑茶や紅茶に含まれるカフェインを

除去しつつ、味や香りを維持する独自技術

だそうで、キリンビバレッジの「やさしさ生茶

カフェインゼロ」や、「午後の紅茶」こだわり

素材シリーズに採用されているそうで、

カフェインクリア製法は、食品に使われて

きた天然吸着剤の酵素に似た働きを用い

ることで、風味や香りを変えず、カフェイン

だけを選択除去するんだそうです。

 

http://www.kirin.co.jp/company/rd/result/closeup/07.html

 

 私は、あいにく、そんなハイカラ(古い

ですね)なものは飲まないのでよくわかり

ませんが、飲んでいる方は、お味がわかり

ますか?

 

 飲んでいる方は、次回から、お味をよく

確かめていただくこととして、私のほうでは、

どんな発明なのか、ちょっと調べてみま

しょう。

 

特許5583817(特開2014-140348)「カフェ

イン低減茶抽出物の製造方法および茶抽出物の

カフェイン低減方法」、特開2015-163049

「カフェイン低減茶飲料およびコーヒー飲料

製造方法」、特開2017-018013「カフェインが

低減された茶飲料およびコーヒー飲料の製造

方法」などがあり、そのほかにも多数の関係

出願があり、HPでは、「詳細は明かせません

が」などと書かれていますが以下のように、

白土というのを使うんだそうですね。

 

【課題】

 香味や色調が通常の茶飲料と遜色ない、

カフェイン低減茶抽出物を製造する方法の

提供。

 

【解決手段】

 茶抽出物に白土を接触させる工程を含む、

カフェイン低減茶抽出物の製造方法であって、

茶抽出物と白土を10分未満の時間内で

接触させること等を特徴とする、製造方法。

 

 ということで、特開2014-171453「白土処理

飲食品」などの出願も公開されておりますので、

味の違いがわからない王花陣でも、味の違いが

わかるような飲料品を、是非作って欲しいもの

です。