知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

ホンダさんのライディングアシスト 倒れないバイク技術

 本田さんが、倒れないオートバイを

CESに出して、話題になりましたね。

 

【CES 2017】ホンダの自立するバイク「Honda Riding Assist」を動画で紹介

 

 先日の日経産業新聞一面にこの記事が

出ていたのですが、ASIMOや椅子型電動

車ユニカブ技術を応用し、低速、停車時

には、前輪接地点を前後に動かせる機構

にすることにより、ハンドルを回した

方向と逆方向に倒れようとする力により、

バランスを取ることができるようにした

そうです。

 

 まだ、この技術の全体像としての発明は

公開されていませんが、なるほど、調べ

ると、この前輪軸を変化させる特許が

ホンダさんから出ていますね。

 

・ 特許6081238「移動体」

 

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【課題】

 停車時に、車体の姿勢の安定性を高める

ことと、高速走行時に、車体の姿勢の操縦を

運転者が行い易いようにすることとを実現

できる移動体を提供する。

 

【解決手段】

 移動体1Aは、トレール長可変機構9を

有する前輪支持機構4と、前輪3fを操舵

する駆動力を発生する操舵用アクチュエータ

8と、前輪3fのトレール長を変化させる

駆動力を発生するトレール長変更用アクチュ

エータ15と、制御装置50とを備える。

制御装置50は、車体の姿勢を安定化する

ように操舵用アクチュエータ8を制御する

操舵制御手段と、車速の観測値に応じて

トレール長変更用アクチュエータ15を

制御するトレール長制御手段とを有する。

 

【0004】

  この種の自動二輪車では、通常、走行中の

操縦安定性を高めるために、前輪の操舵

軸線(前輪の操舵の回転軸線)と接地面

との交点が、前輪の接地点の前方側に

位置するように(すなわち、トレール長が

正の値となるように)、前輪の操舵軸線が

配置されている。

 

【0012】

  本願発明者は、各種実験、検討によって

次のことを知見した。すなわち、移動体の

前輪を操舵することによって、車体に

ロール方向のモーメントを作用させることが

できる。そして、この場合、前輪の操舵に

応じて発生するモーメントの大きさもしく

は向きは、前輪のトレール長に対する

依存性を有する。

 

 ということで、

 

【0013】

  詳細は後述するが、本願発明者の各種実験、

検討によれば、車体の姿勢を安定化するために

適切なモーメントを前輪の操舵によって車体に

作用させるようにする上では、トレール長は、

ある正の値よりも小さい(ゼロもしくは負の

値を含む)ことが好ましい。

また、該トレール長が小さいほど(負の値で

ある場合は絶対値が大きいほど)、前輪の

舵角の単位変化量に対して発生させ得る

上記モーメントを大きくすることができる。

 

【0014】

  そして、移動体の停車時のように、車体の

姿勢を安定化することの要求度合が高い

状況では、該姿勢の安定化のために、前輪の

操舵によって十分なモーメントを感度よく

発生できることが望ましい。したがって、

このような状況では、トレール長は、

ある程度小さい方が好ましい。さらには、

トレール長が負の値であれば、一層好ま

しい。

 

のようにするそうです。

 

 

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 ユニカブのほうの特許も特許出願もたくさん

ありますが、一番新しいものは以下のように

なります。

 

・ 特許6081271「倒立振子型車両」

 

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 ちなみに、ユニカブは以下のようになり

ますよ。

 

Honda|UNI-CUB

 

 新聞によると、このライディングアシスト

二輪車は、反響が大きかったため、量産開発に

着手したそうですので、乞うご期待???