知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

東洋紡さんの、下着で居眠り運転検知

 東洋紡さんと医療機器を手掛けるユニオン

ツールさんで、運転中の居眠りを検知して

アラームを鳴らす肌着を開発し、2017年内に

販売を始める計画だそうで、新聞などでいろ

いろ取り上げられていますね。

 

 フィルム上の導電素材「COCOMI(ココミ)」

というのをセンサーにして、心電図のデータを

取得して眠気が生ずる特定のパターンを

検出するそうで、実証実験を経て、当初は、

トラックやバス会社など向けに販売するそう

ですね。

 

 このようなスマート衣料は、いろいろ開発

されており、たとえば、東レさんとNTTさんで

共同開発した、不整脈検査や熱中症対策用

「hitoe(ヒトエ)」とか、心電図測定のミツフジ

さんの「ハモン」、グンゼさんのモウモウさん

(乳牛ですね)に着せて体調管理する「ウシ

ブル」などいろいろ開発されており、この前の

ウエアラブルEXPOでも沢山出ていました。

 

 まあ、これらの製品はおいおい取り上げると

して、今回は東洋紡さんの発明を見てみましょう。

 

 東洋紡さんの肌着としての発明は、まだ出願

公開されていませんが、どのように検知して、

予防するんだという基本的な発明はすでに

東洋紡さんと、ユニオンツールさんから共同で

出願されており、特許6063775(特開2014-

168541)「居眠り予防方法、及び居眠り予防

装置」となっています。

 

【課題】

 誤検出を抑えつつ、居眠り状態に入りつつ

ある未然の状態を検知することができる居眠り

防止方法、及び居眠り防止装置を提供する。

 

【解決手段】

 人の心拍を計測する計測ステップと、隣り合う

心拍の時間間隔(以下「心拍間隔」と記載)が、

1拍分前の心拍間隔よりも広くなる状態が連続

する場合に、眠気が発生した旨を示すトリガ

(以下「眠気トリガ」と記載)を出す判断

ステップ(S4~S8)と、前記眠気トリガが

出された場合に、居眠り予防のための警告を

発する警告ステップ(S9)とを含む。

 

 

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 眠気の判断方法は、以下だそうです。

 

 「隣り合う心拍の時間間隔(以下「心拍間隔」

と記載)が、1拍分前の心拍間隔よりも広く

なる状態が連続する場合に、眠気が発生した

旨を示すトリガ(以下「眠気トリガ」と

記載)を出す」

 

そうで、

 

「前記所定回数は、4回以上であることが

好ましい。」

 

んです。 さらに、

 

  「判断ステップにおいて、心拍間隔が広く

なる状態が連続する場合であって、且つ、

前記所定回数のうちの初回の心拍間隔と、

最終回の心拍間隔との差が、所定時間を

超える場合に、前記眠気トリガを出す

ことが好ましい。」

 

さらに、

 

 「前記所定時間は、60ms以上である

ことが好ましい。  ここで心拍間隔として、

心電信号におけるR波とR波との間隔で

あるRR間隔を用いることが好ましい。 

前記判断ステップにおいて、前記心拍

間隔が、所定範囲を外れている場合に、

異常値とみなして、心拍間隔が広くなる

状態であるか否かの判断の対象から除外

することが好ましい。

  ここで前記所定範囲とは、200ms~

3000msであることが好ましい。」

 

んだそうです。

 

 ちなみに、ユニオンツールさんは、

「ユニオンツール株式会社」、設立が1960年、

本社が東京南大井、資本金29億9,850万円、

連結売上高25,115百万円、連結従業員数

1,397名で、本業は、産業用切削工具で、

プリント配線板用ドリルで世界シェア3割超の

首位(会社四季報)、生体センサ関連にも

手を伸ばし、以下のように、今回の居眠り

運転検知システムの発表もされています。

 

http://navigator.eir-parts.net/EIRNavi/DocumentNavigator/ENavigatorBody.aspx?cat=tdnet&sid=1429687&code=6278&ln=ja&disp=simple

 

 ちみに、生体センサ関連製品は以下と

なりますよ。

 

カタログ一覧::ユニオンツール株式会社