知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

シャーベットアイスで輸送のお魚さん

 高砂熱学工業さんで、この3月に、海水

など塩水を使用してシャーベット状アイスを

製造する装置を長崎県の平戸魚市に納入

したそうです。

 

平戸魚市 シャーベットアイス作る設備導入 | NCC長崎文化放送 | デジタルは5ch

 

http://kensetsunewspickup.blogspot.jp/2016/08/sishf.html

 

設計・開発フロンティア/高砂熱学工業−海水シャーベットアイス製造装置 | トピックス ニュース | 日刊工業新聞 電子版

 

 従来のアイスはきめが粗く魚が傷つきやすく、

遠距離輸送では鮮度を保つのが難しかったり

したそうですが、高砂熱学さんのシャーベット

状アイスは梱包材の中で魚の隙間に入り

込み、魚を傷つけずに急速、均一に冷却して

くれるそうで。

 

 0℃以下でも凍らない過冷却状態で、水に

超音波振動を与えるとシャーベット状になる

そうですが、早速、この技術を特許出願から

調べてみましょう。

 

 高砂熱学さんのシャーベットアイスの製造

方法は、沢山出願がされていますが、塩水で

シャーベットアイスを製造するという、一番

直近の、特開2016-33444「シャーベット氷の

製氷システム、及びシャーベット氷の製氷

方法」を見てみましょう。

 

【課題】

 塩水を利用したシャーベット氷を安定して

製氷する技術を提供する。

 

【解決手段】

 塩水を過冷却状態にし、過冷却状態の塩水

を解除してシャーベット氷を製氷する製氷装置

2と、前記製氷装置で製氷されたシャーベット

氷を貯氷し、当該シャーベット氷を供給する供給

装置3と、前記塩水と熱交換する過冷却媒体を

供給する過冷却装置と、前記製氷装置と、前記

供給装置と、前記過冷却装置とのうち、少なく

とも何れか一つを制御する制御装置5と、を備え、

前記制御装置は、前記塩水の濃度に応じて前記

過冷却媒体の温度を変更する過冷却媒体の制御

処理と、前記塩水の濃度に応じて、前記塩水が

過冷却媒体と熱交換する前に予熱される際の

予熱温度を調整する予熱制御処理とのうち、

少なくとも何れか一方の処理を行う。

 

  詳細な説明を見ると、

「塩化ナトリウム水溶液を含め、塩水を利用

してシャーベット氷を製氷する場合、塩水は

濃度によって凍結温度が変わるため、製氷を

安定して行えないことが懸念されるため、

塩水を利用したシャーベット氷を安定して

製氷する技術」

を、開発したそうです。

 

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 ちなみに、高砂熱学工業さんは、東証

1部上場で、本社は東京の新宿、社名は

高砂熱学工業株式会社」、設立1923年、

資本金13,134百万円、連結売上高は

251,291百万円、連結従業員数4761名、

会社四季報によると、空調工事の最大手、

環境ソリューション企業を志向、中国、

タイ、ベトナムなどアジア展開強化、

受注残が潤沢、新規受注も海外大型

案件が寄与となっており、2016年3月期

の純利が6,650百万円、となっており、

会社の歴史というところを見ると、

帝国議会議事堂、阪急百貨店、東京

海上ビル、警視庁、東京ドーム、

東京都庁東京国際フォーラム

新国立劇場、札幌ドーム等々、いろんな

ところの空調を手掛けているんですね。

 

会社の歴史(あゆみ)|会社情報|高砂熱学工業株式会社

 

 ということで、お魚輸送の際には、

シャーベットアイスをドバドバ入れて

いただいて、おいしいお魚を食べられる

よう、お願いしまーす。