知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

電子レンジで、温めたい部分だけ加熱する発明

 

f:id:oukajinsugawa:20161011144928j:plain

 

 上智大の堀越智先生は、電子レンジで、

温めたい部分だけを温める、という方法を

発明し、特許出願をしており、そのフローが

上のようになります。

 

 出願は、特開2016-110750「マイクロ波

加熱方法及びマイクロ波加熱装置」という

もので、

 

【課題】は、「電子レンジの加熱室内に載置

された加熱対象物の部分加熱を簡易な構成で

実現可能とするとともに、面倒な作業を行う

ことなく、加熱対象物の部分加熱を提供する。」

ことで、

 

【解決手段】は、対象物のうち加熱する部分を

要加熱部とし、対象物のうち加熱しない部分を

非加熱部としたときに、要加熱部に関する情報

又は非加熱部に関する情報の一方又は双方を

加熱部特定情報として容器から取得する情報

取得工程と、加熱部特定情報にもとづいて対象

物における要加熱部の位置を特定する工程と、

半導体素子を用いて構成したマイクロ波発生部

マイクロ波を発生する工程と、加熱室内に

マイクロ波を供給する工程と、マイクロ波

位相を変化させることで、対象物の要加熱部を

加熱する加熱工程とを有した。」

となっています。

 

 要は、電子レンジの高周波発振機には、

マグネトロンが用いられていますが、これを

半導体式にして位相制御をおこない、温度測定

(サーモグラフィ等ですね)情報により、

要加熱部だけにマイクロ波を集中する、という

方法を採っています。(マグネトロンは電子

レンジだけでなく、工業用高周波誘導加熱

などに使われていますが、最近は、半導体方式が

出てきていますね。私も、いろいろ使わせて

いただき、神奈川県の厚木から平塚に行く

途中の相模川沿いにあるネツレン湘南事業所

さんに、よくお邪魔させていただきました。 

本日のブログとはあまり関係ない情報ですが。)

 

f:id:oukajinsugawa:20161011145014j:plain

 

f:id:oukajinsugawa:20161011145133j:plain

 

 今回の出願公開のものは、まだ、食品トレー

などが通信手段などを備えた特殊なもので

ないといけないようですが、さらに改良を

加えていただいて、安価で手軽に、部分

加熱ができる方法を発明して欲しいものです。