知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

DG TAKANOさんの節水ノズル・バブル90

 ということで、10分の1の水量で、洗浄力が

抜群という節水ノズルのBubble90というのが

話題になっています。

 

http://www.bubble90.jp/

 

 この製品を、所さんの番組で取り上げていま

したが、仕組みは秘密だと言っていましたので、

特許のほうから仕組みを調べてみましょう。

 

 特許検索をおこなうと、以下のように、

海外にも出願がされています。

 

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 出願はDG TKANOさんからではなくて、社長の

高野雅彰さんからで、権利者も社長さんになって

います。

 

 話は違いますが、節水ノズル関係出願の5年前の

出願で、特許5106940(特開2009-032176「出会い

の場予約支援システム」というのがあったのですが、

違う人かな?と思いましたが、識別番号が同じでした

ので、同じ方のようです。

 

 節水ノズルの一番古い特許4369993を見てみると、

以下のようになっています。

 

【要約】

 水道蛇口などの水吐出管から吐出する水量を適切に

抑制するとともに泡沫水を形成することができる節水

コマを提供する。

  水吐出管200から吐出する水量を抑制する節水

コマ本体10に水吐出管200の口径より小さい口径の

貫通孔11を備え、水吐出管の流出口210全面を

覆って水流を絞る。拡散体20を外側から覆う第1の

中空筒体30を設け、さらにその外周に第2の中空筒体

40を設ける。節水コマ本体10の貫通孔11から下方に

流出する水を拡散体20により外周方向に拡散し、

当該拡散された水を第1の中空筒体30の内周壁で

受け止め下方に導く。第1の中空筒体30の上部に

吸気孔33があり、水流が拡散体20と第1の中空

筒体30の間の流路71に流れ込むことにより第1の

中空筒体30内部の気圧が下がり、吸気孔33を

介して第1の中空筒体30と第2の中空筒体40の

間に形成されている通気路72から空気が流れ込み、

水流が空気と混合され、泡沫水が形成される。

 

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 原理は、71の通路からから水を噴出させ、

72の通路からは空気を噴出させる機構とする

ことにより、水と空気をを混合させ、泡沫水と

するようです。

 

 効果は、以下となるそうです。

 

【発明の効果】

  本発明の節水コマによれば、流出側の水流断

面積を流入側の水流断面積より絞ることにより

節水効果を得るとともに、拡散体により流出側の

水流の勢いを適度に減じて第1の中空筒体の

内周壁に沿わせて下方から流出させ、流れ出す

水流の勢いも適切な勢いに調整することができる。

  また、本発明の節水コマによれば、節水コマ内部に

おいて適度に空気と混合し、水吐出管から吐出する

水量を適切に抑制しつつ、いわゆる泡沫水として

水流を形成することができる。なお、節水コマ内に

外気から引き込まれる空気は節水コマ内を流れる

水流により得られる気圧差を利用して吸気孔から

吸気され、また、節水コマ内を流れる水流は節水

コマ内部で吸気孔に触れないように中央寄りを

勢いよく下方に噴射しているため、吸気孔から

外界へ水流が噴射するというおそれもない。