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知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

サウンドファンさんの、ミライスピーカー

 東京の台東区に株式会社サウンドファンと

いう会社があるのですが、設立は2013年、

資本金は2億656万円、事業内容は、

難聴者も聴きやすいバリアフリースピーカー、

ブルートゥース技術を応用したアンプ、

スピーカーの開発、販売、となっています。

 

http://soundfun.co.jp/

 

 新聞によると、まだ従業員は15名で、

売上も1,000万円ということです。

 

 この会社、難聴者でも聞き取りやすい

スピーカー「ミライスピーカー」というのを

販売しており、特許番号なども載っています

ので、どんな技術なのか、見てみましょう。

 

http://soundfun.co.jp/main/wp-content/uploads/sf_mirai_personal2.pdf

 

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【0001】

  本発明は、難聴者と健聴者とが共に聞き

取ることができる万能スピーカに係り、詳しく

は、難聴者が補聴器をつけることなく健聴者と

共に聞き取ることができる万能スピーカに関する。

 

「ふむふむ。」

 

【背景技術】

【0002】

  「音」は、物体の振動が空気などの物質の

中を伝わってきたものであり、人間が耳という

聴覚器官で感知できるものとされている。

つまり、音は振動している物体から生じ、空気を

媒介として音が伝わる場合、物体が振動する

ことで近くの空気が押されてその部分だけ空気が

濃くなり、空気の濃い部分が近くの空気をさらに

押して空気の濃い部分が移っていくことで耳に

届く。そして、耳に届いた空気が耳の中の鼓膜を

振動させ、この振動の信号が脳に伝わり、脳が

音として判断して音が聞こえるものとなる。

 

 「そーなんですかー。」

 

【0003】

  このように音は、空気中の気体の分子が

押されたり引かれたりして振れる方向、すな

わち、進行方向と同じ向きに振れる縦波として

進む。また、音が伝わるときには、空気の薄い

部分(疎)と濃い部分が(密)が交互に波として

伝わることで、この縦波は「疎密波(粗密波)」

とも呼ばれている。

 

 「なるへそ。」

 

【0004】

  一般的な音響機器に組み込まれているスピ

ーカは、ダイナミック型のスピーカユニットが多く、

このスピーカユニットは、ドーナツ型をしたマグ

ネット(永久磁石)と、このマグネットの内側の

穴にあたる円筒形の空間に挿入されたボイス

コイルと、このボイスコイルに取り付けられた

円錐形に成形した振動板(コーン)とを少なく

とも備えている。このようなスピーカでは、

ボイスコイルに音声信号が流れると、その

波形に合わせてボイスコイルが前後方向に

振動し、ボイスコイルに取り付けられた振動

板が一緒に振動することで、音声信号と等しい

波形の縦波を発生して放音するものとなって

いる。

 

 「ドーナツなんですね。」

 

【0005】

  また、平板状をした振動板(平面振動板)が

矩形のフレームに振動可能なように固定されて

いる平面形スピーカも知られており、このような

平面形スピーカは、平面振動板の振動によって

空気を広い面積で平行に押して疎密波(縦波)を

作り出し、放音するものである。

 

「昔、大学時代、音響工学という授業を取ったら、

学生が私一人だけで、一年間、教授と一対一で、

波動方程式やらシュレジンガーの方程式やら、

さっぱりわけがわからなかったんですがー。

あのときの先生がまだご存命でしたら、ばかな

私と一年間お付き合いいただき、本当に、

すんませんでした。」

 

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「こんなブログを読んでおいでとは思えま

せんが。」

 

【0006】

  一方で近年、加齢が原因とする老人性難聴や、

外耳や中耳、内耳、蝸牛神経等に障害を有する

器質性難聴、ストレスを要因とした機能性難聴、

といった聴覚障害者が増えてきており、国内の

難聴者の数は2,000万人ともいわれている。

難聴の場合、音が聞こえなくなるだけでなく、

聞こえた音であっても鮮明に聞き分けることが

難しくなり、相手の言葉に反応出来なかったり、

会話の内容がよくわかっていないのに返事を

してしまって相手に誤解を与えたり、途中で

何度も聞き返すので会話が弾まなくなって

しまったりすることがあり、スムーズなコミュニ

ケーションができなくなることがある。そのため、

難聴が原因で、知らず知らずのうちに人と話を

するのが億劫になり人と会う機会が減ったり、

外出しないで家に引きこもりがちになったりという

現象が起き、社会からの孤立・疎外という問題が

起きるおそれがあると言われている。

 

「難聴者の数が2000万人!!というのは

本当ですか? 私のように、鮮明に聞こえて

いても、会話の内容が理解できなくって、

鮮明に返答できない人間もいますが・・・」

 

【0009】

  ところで、音は粗密波(縦波)だけではなく、

進行方向と垂直の向きに振れる横波も発生

しているこがとが報告されている。この横波は、

縦波と比較して音源からの距離による音の

減衰が少なく、難聴の方にも聞こえる特徴が

ある。また、横波は、横波同士または横波と

縦波との間で干渉は発生しないという特徴も

有している。

 

「へー。」

 

【課題を解決するための手段】

【0016】

  本発明に係る第一の万能スピーカは難聴者

と健聴者とが共に聞き取ることができるもので

あって、平板状をした振動板と、入力された電気

信号に応じて前記振動板を振動させるドライバ

ユニットと、前記振動板と前記ドライバユニットとを

収容する中空構造の筐体と、を少なくとも備え、

前記筐体は、一面に開口部を有し、前記ドライバ

ユニットは、前記振動板の面方向と同じ方向に

駆動するように前記振動板の端縁部と当接し、

かつ、前記筐体に固定して取り付けられ、前記

振動板は、前記ドライバユニットが取り付けられた

一端側から対向する他端側へ向かうにしたがって

湾曲する曲面部を形成し、前記筐体の開口部を

被覆するように配されていると共に、両側縁部が

前記筐体に支持されている、ことを特徴とする。

 

「ドライバユニットなどを工夫したんですね。」

 

【0032】

  なぜ、本発明に係る万能スピーカにおいて

健聴者と難聴者の双方が聞こえるのか明確な

メカニズム(仕組み)は不明であるが、次の

ように推定される。

  まず、固体中では縦波のほかに、横波や

曲げ波・ねじり波など(以下、「剪断波」という。)が

発生していると言われている。また、全ての物質や

エネルギーは粒子的な性質と波動的な性質の

両方を持つという、粒子と波動の二重性の考え

方がある。ゆえに、本発明に係る万能スピーカ

では、湾曲振動板の曲面部から空気中に放出

される振動が、一方で、空気の分子の粗密波動に

変換されて健聴者が聞こえるものとなると共に、

他方で、空気の分子に摂動と呼ばれる新たな

振動(剪断波動)を生じさせて難聴者が聞こえる

ものとなる。

 

 「縦波だけでなく、横波などでも難聴者の鼓膜に

うまく振動が伝わるようにしているんですね?」

 

 ということで、この出願を基にして、WO2015146446

なども公開されていますので、サウンドファンさん、

海外にも進出するんでしょう。

 

 私も難聴一歩手間??ですので、さらに良い

スピーカーを作っていただけると、ありがたい

ですね。