知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

東洋鋼鈑さんの抗がん剤薬効判断「遺伝子検査用DNAチップ」

 「おいおい、東洋鋼鈑て言ったら、鋼鈑とか

の会社だろ? はじめっからタイトル間違って

んじゃねーの?」というところなのですが、

タイトルは間違っていないんですよ。

 

 東洋鋼鈑さんは、社名が「東洋鋼鈑株式

会社」、設立が昭和9年、本社は東京の

千代田区、資本金50億4,000万円、連結

売上高1,208億円、連結従業員数2,804名、

事業内容は、ぶりき、薄板及び各種表面処理

鋼板並びに各種機能材料等の製造・販売と

なっており、製造拠点は山口県下松市

あるんです。

(昔、下松にお邪魔した時は、フグで接待して

いただきました。 その節はどーも。 会社の

通勤はスーツでないとダメなんですよ、とか

言っていたような気がしますが、ラフな格好の

私としては、きちんとした会社なんだなー、

などと、思ったわけでして。)

 

http://www.toyokohan.co.jp/ja/index.html

 

 ということはさておき、会社四季報によると、

東洋製罐系、スチール缶用ブリキ製造が主、

表面処理技術を応用し、HD基板や光学フィルム

育成、鋼鈑関連70%、機能材料関連23%、その他

7%」となっています。

(接待のときにも、缶ビールのアルミ缶や、

スチール缶について、いろいろうんちくを教えて

いただきました、です、はい。)

 

 ということで、医療関係の話など、一つも出て

来ないのですが、以下のような発表をおこなって

いるんです。

 

http://www.toyokohan.co.jp/ja/news/pdf/topics151126.pdf#search='%E6%9D%B1%E6%B4%8B%E9%8B%BC%E9%88%91%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BE+%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90%E6%A4%9C%E6%9F%BB'

 

 上は、乳がん、肥満、糖尿病や高血圧

などの生活習慣病を調べるキットだそう

ですが、以下は、がん治療薬の効果や副

作用を調べることのできる遺伝子検査用

チップとなるんです。

 

http://www.yamaguchi-u.ac.jp/weeklynews/2015/_4450.html

 

 ということで、出願公開、登録情報を調べて

みると、以下のように鋼鈑関係がもちろん主

なのですが、12番目に生化学というのが出て

きて、さらに生化学を細かくすると、以下の

ようになっているんです。

 

f:id:oukajinsugawa:20160613111051j:plain

 

f:id:oukajinsugawa:20160613111110j:plain

 

 ということで、東洋鋼鈑さん、隠れて、こっ

そり??遺伝子関係の研究もおこなっていた

んですね。

 

 6月9日(木)の日刊工業新聞によると、

抗がん剤の薬効を判断する、「遺伝子検査

デオキシリボ核酸(DNA)チップ」を2016

年内に発売するそうで、現在厚生労働省

薬事申請段階だそうで、実現すれば、患者の

体質や年齢、副作用に合った、治療薬の

選定が行えたり、ピンポイントな治療が

可能になるんだそうで。

 

 東洋鋼鈑さん、全く畑違いのことをよく、

研究していたね、というところなのですが、

東洋鋼鈑さんの得意とする表面処理技術の

応用だそうで、いろんな応用があるんですね。

 

 患者の血液から採取したDNAを、チップに

反応させて判定するため、薬剤の効果が

事前にわかり、副作用も予測でき、個人個人に

合った薬剤が選択できるようになるそうです。

 

 東洋鋼鈑さん、山口大学と共同で研究を

しており、まずは、消化器系がん治療薬

キットを計画しているそうですので、早い

ところ販売されるといいですね。

 

 ちなみに、今、ニュースでなにかと話題の

「乳がん」、を検査する方法は、山口大学

「乳がん発症感受性の判定方法」WO2012/

056694(特許第5866669号)などがあるん

です。