知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

サンテクノ久我さんの、はも骨切り名人

 昨日、テレビで、食品ロボットというのを

やっていましたね。

 

 包あんロボの火星人CN580、すしロボ、

はも骨切り名人、という3つの会社の

製品が取り上げられていましたが、包あん

ロボのレオンさん、すしロボの鈴茂さんは、

以前に書きましたので、今回は、はも

骨切り名人ロボを取り上げてみましょう。

 

 このロボットを作っているのは、愛媛県

新居浜市の「有限会社サンテクノ久我」さん

で、昨日のテレビでは、ここの社長さんの、

久我高昭さんが出演していました。

 

 このサンテクノ久我さんは、水産関連

機器を手がけるホクト(新居浜市)から独立

して2004年に設立したした会社だそうで、

はも骨切り名人ロボは、以下のようになって

います。

 

http://www.suntechno-kuga.co.jp/h_honegiri.html

 

 まあ、ハモは小骨が多いため、独特の

骨切りが必要になるわけですが、包丁を

数ミリおきに入れて、骨だけ切って皮を切ら

ずに残す技術で、習得には年月がかかるん

だそうですね。

 

 このため、ハモがスーパーなどに流通しな

かったわけですが、このロボットを導入する

ことで、スーパーなどでもハモを売ることが

できるようになったんだそうです。

 

 第1号機は2007年だそうで、流れるベルトに

ハモを乗せて、コンピューターで制御し、細長い

鋼製の刃を包丁で引き切りするように動かし、

切り込み間隔を0.1ミリ単位で調調整し、

料理人のような切り口を再現したそうで。

 

 このサンテクノ久我さん、ハモ切りだけで

なく、以下のように、フグ関係、フルーツ、

乾燥機、うろこ取り、カキクリーナー、

さらには、健康関係での腰椎矯正装置まで

作っているそうですね。

 

http://www.suntechno-kuga.co.jp/

 

 久我さんは、ホクト時代の発明もあり

ますが、サンテクノ久我としての発明は

以下のようになりますよ。

 

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 はもの骨切りロボ関係の特許4940077

と特開2014-223715を見てみると以下の

ようになるんです。

 

【課題】

刃物が引き切り相当の動きをし、魚肉などの

刺身や切り身等のカット調理を上手に行い、

鱧の骨切りなどの繊細なカット調理も、料理人

の腕前に依存することなく適切に行えるように

すること。

 

【解決手段】

回転軸11、12の回転により平行姿勢を保って

円軌跡運動を行う円軌跡運動部材15と、円

軌跡運動部材15に設けられた直線ガイド

部材20、21に案内されて直線移動する

スライダ22をクランク機構(23、24、26)に

接続された滑りクランク装置と、スライダ22に

取り付けられた刃物36と有し、回転軸11と

前記クランク機構とを同期回転駆動する。

 

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【課題】

切断加工を要する食品等の被切断物に

おいて、良質の切断面を得る切断を可能

とする。

 

 【解決手段】

水平方向の動作と垂直方向の動作とを合成

した上下動作又は垂直方向だけの上下動作を

行って被切断物17を切断する刃物3を備えた

切断装置であって、刃物3の刃先21に対向

する切断位置9の回転方向における上流側

11と下流側12の外周面10を被切断物17の

載置領域として設けた回転する円筒状ドラム1

と、円筒状ドラム1を回転駆動させる駆動手

2とを備える。

 

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 このほかに、特開2011-172558はフルーツ

関係、特開2009-279695は、刺身やすしネタ

作製などとなりますよ。