知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

「産廃が純国産エネルギーに変わる!?」

 またまた、国立研究開発法人科学技術

振興機構(JST)が主催する新技術説明会

というものの案内が来ていたのですが、

今回は福岡大学の研究だそうで。

 

 ということで、「産廃が純国産エネル

ギーに変わる!?」という題名の発表も

書かれていたのですが、「なぜにクエス

チョンマークなのかいな???」と、

こちらもクエスチョンマークだったの

ですが。

 

 クエスチョンマークということは、産廃が、

純国産エネルギーに変わらないのかも

知れないぞ、という話をするのか?

などとも思ってしまうわけでして。

(そうではないと思いますっ!!)

 

 と、今回はクエスチョンマーク付けまくり

なわけでして。

 

 この研究は福岡大学助教の麻生裕之

先生のものなのですが、麻生先生、自信が

ないのでしょうか?

(と、またまたクエスチョンマークなわけ

でして)

 

 まあ、それは、ともかく、どんな研究なのか

調べてみましょう。

 

 発表内容詳細というのは、以下のように

なっています。

 

産廃が純国産エネルギーに変わる!?

 

新技術の概要

これまで竹が木質ペレットの様にボイラー

などで利用されてこなかった最大の理由は、

その含水率の高さである。そこで、本技術を

使用して、自動で乾燥・選別し、そのまま

竹チップボイラーに供給することで、

ビニールハウスの加温が可能となる。

 

従来技術・競合技術との比較

従来技術では、竹の運搬コストおよび

乾燥時間が大きな問題であったが、

本技術を用いることによって、その

二つの問題を大幅に改善できる。

さらに、もう一つの大きな問題であった

燃焼時のクリンカの発生に対しても、

この乾燥が非常に効果的な抑制

効果になることが分かってきた。

 

新技術の特徴

・生竹の乾燥および任意の含水率に

 よる自動選別。

・未利用エネルギー(産業廃棄物)の

 有効利用およびエネルギーの地産地消

・第1次産業(農業・林業)の再生による

 地方創成、再生。

 

想定される用途

・農業用ビニールハウス用ボイラ

社会福祉施設などにおける温浴施設用

 ボイラ

バイオマス発電」

 

 ということですので、どんな特許出願が

されているのか調べると、特開2015-203523

「竹粉砕片乾燥選別システム」で、「再生

可能エネルギー先端技術展2013、平成25年

10月18日で発表してしまっているんで

ごめんなさい」、という書類も付いているん

です。

(いわゆる、新規性の喪失の例外ですね)

 

【課題】 

伐採した竹の破砕で得られた竹破砕片を

簡略な機構で効率よく乾燥すると共に、

乾燥した竹破砕片のみを適切に選別供給

して、燃料として有効且つ経済的に利用

可能とする竹破砕片乾燥選別システムを

提供する。

 

【解決手段】 

所定の大きさに破砕された竹破砕片100を

破砕片収容部10の内部空間10aに入れ、

下部から上向きに空気を送り込むと、空気

との継続的な接触で竹破砕片100が水分を

奪われて乾燥していくと共に、乾燥して密度を

低下させた竹破砕片のみ空気による浮遊

高さを上げ、内部空間上端部から次の破砕

片通路部20に進む状態となって、結果として

乾燥した竹破砕片を選別して取り出せることに

より、伐採した竹を破砕したものから、乾燥

した竹破砕片のみを効率よく取り出し、この

乾燥した竹破砕片を順次供給して、一般的な

燃料と同様に継続的に燃焼させられる燃料

として活用可能となる。

 

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 ということなのですが、まずは、竹の産廃

量が、純国産エネルギーに変わるほどあるのか?

ということと、一歩譲って、産廃に竹が混じって

いる量がどれほどあるのか?という疑問が

ありますし、この設備での投資対効果(ROI

ですね)が期待できるのか?という、いろんな

疑問があり、これが、タイトルの、

産廃が純国産エネルギーに変わる!?」と

いうクエスチョンマークに繋がっているので

しょうか??

 

 是非聞いてみたいところですが、まあ、これ

だけ聞くのに出かけていくのも面倒ですので、

今回も行くのはやめに致しましょう。