知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

ハッピーさんの知財活動

 この前、営業秘密の保護・活用に

ついて、経産省知的財産政策室の課長

補佐の方の話を聞く機会があったの

ですが、ここで、中小企業における

秘密情報の管理事例として、株式会社

ハッピーさんの事例がありました。

 

 内容は、どのような対策をおこなって

いるかという話だったのですが、情報

管理と作業の見える化で、顧客の信頼性

向上、高付加価値サービスを実現して

いるという話もしていましたので、

今回は、営業秘密管理という観点ではなく、

どのような知財活動をおこなっている

のか?という観点で見てみましょう。

 

 まずは、この株式会社ハッピーさん

ですが、設立が平成14年、本社は京都府

宇治市、資本金5,350万円、事業内容は、

衣類品再現加工、すなわち、クリーニ

ングサービスです。

 

http://www.kyoto-happy.co.jp/

 

 知的財産関係は、下のようになっており、

かなり力を入れているのがわかりますが、

水洗浄ができず水溶性の汚れを落とせない

衣類の水洗浄を可能とする技術で特許化、

ノウハウ化をおこない重要な部分はノウ

ハウで管理し、データベースによる顧客

管理や接客で、クリーニングとは異なる

サービスを実現しているんだそうですよ。

 

http://www.kyoto-happy.co.jp/happy/19patent2.html

 

 海外での特許取得も多く、クリーニ

ング屋さん、おそるべし!!

 

 ということで、株式会社ハッピーさんで、

特許検索をかけると、株式会社ハッピー

リスや、株式会社ハッピー商会、株式会社

ハッピーワールドなどもヒットしますので、

申請人識別番号で検索すると、最近は

クリーニング情報や納期決定システム

などに力を入れているようですが、最新

の洗浄方法の特許を見てみると、以下の

ようになるんです。

 

・ 特許5896542「洗濯方法」

特許出願:2014年11月21日

早期審査

 

【課題】

同じ洗浄物に対してたたき洗い方式と

疑似無重力洗浄方式を併用することに

より、比較的短時間の洗濯動作により

汚れ落ち効果を高めることができる

洗濯方法を提供する。

 

【解決手段】

洗濯装置は、被洗浄物の洗浄工程として、

洗濯槽に供給される洗浄液中で被洗浄物を

浮遊させて洗浄する第1洗浄工程と、第1

洗浄工程において洗濯槽に供給される

洗浄液の液位よりも低い液位の洗浄液で

洗濯槽の内壁面上に設けられたバッフル

により被洗浄物を攪拌して洗浄する第2

洗浄工程とを有している。洗濯装置の

洗濯槽を回転させながら第1洗浄工程と

第2洗浄工程との間で洗浄液の液位を

連続的又は非連続的に増加又は減少

させる。

 

f:id:oukajinsugawa:20160509162812j:plain

 

f:id:oukajinsugawa:20160509162830j:plain

  

情報システムなどは以下のようなものが

ありますよ。

 

f:id:oukajinsugawa:20160509162854j:plain

 

 クリーニング屋さんの装置などは、誰か

が真似しても、それを見破ることは困難

だと思いますので、権利化とノウハウ化が

なかなか難しいでしょうが、このような

例もありますので、要は、いかに頭を使

うかですね。

 

 ハッピーさん、おそるべし!!