知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

アサヒビールさんの、プリン体ゼロ発泡酒、アサヒスタイルフリーパーフェクトの特許って、どんなものですか?

 アサヒビールさん、プリン体ゼロのアサヒ

スタイルフリーパーフェクトというのを発売

するそうですね。

 

http://www.asahibeer.co.jp/products/beer/stylefree_perfect/

 

 以下の、今までの糖質ゼロのアサヒスタイル

フリーで、人工甘味料を使わず、さらにプリン体

ゼロとしたそうで。

 

http://www.asahibeer.co.jp/products/beer/stylefree/

 

 説明をよく見ると、プリン体ゼロといっても、

100ml当たりプリン体0.5mg未満をゼロと

言っているそうで。

 

 ということで、アサヒビールさん、プリン体

少なくする発明はいろいろ出ているのですが、

最近特許登録された、特許5850553号を

見てみましょう。

 

 この出願は、2011年の6月24日、登録は

今年2016年の2月3日で、発明の名称は、

「麦汁中のプリン体を除去する方法、清涼

飲料、及び、発酵麦芽飲料」となっています。

(PCT出願です)

 

 明細書には、以下のように書かれていますよ。

 

【背景技術】

【0002】

 ビールや発泡酒等の発酵麦芽飲料におい

ては、消費者の嗜好の多様化にともない、多種

多様の商品が上市されている。

 

 「うん、うん、その通り。」

 

さらに、近年の消費者の健康志向から、

発酵麦芽飲料における糖やカロリー量、

さらにはプリン体量への関心が高まって

いる。

 

 「これもしかり。」

 

中でもプリン体は肝臓で代謝されて尿酸と

なるが、血液中の尿酸値が一定値以上と

なると高尿酸血症になり、さらに結晶化した

尿酸が関節にたまると痛風になる。

 

 「ふーん、痛そう!・・・・」

 

このようなことから、従来のビール等が有

する旨味等を保持した、低糖・低カロリー

量である発酵麦芽飲料に加えて、低プリン

体量である発酵麦芽飲料に対する消費者の

期待が高まっている。

 

 「ふむふむ。」

 

【0003】

 プリン体の除去に関しては、活性炭やゼオ

ライトを用いてプリン体を除去する方法が知

られている。

 

 「私は知りましぇん。」

 

【0004】

 特許文献1は、活性炭からなる吸着剤を

用いて、糖化工程以降、ホップ添加前の

工程において25℃以上、糖化工程温度

以下の温度範囲でビールや発泡酒等の

プリン体を低減する方法について開示

している。

 

 「ふむふむ。」

 

【0005】

 特許文献2は、ゼオライトからなる

吸着剤を用いて、麦汁若しくは発酵液中に

おいてビールや発泡酒等のプリン体

低減する方法について開示している。

 

 「なるへそ。」

 

【0006】

 特許文献3は、活性炭からなる吸着剤を

用いて濾過工程において発酵麦芽飲料中の

プリン体を低減する方法について開示して

いる。

 

 「うん、うん、それで?」

 

【発明が解決しようとする課題】

【0008】

 しかしながら、醸造用に用いられている

活性炭を使用して麦汁中や発酵麦芽飲料

中のプリン体を除去した場合には、活性炭

由来の香味に悪影響を与える臭気が付与

される場合があることがわかっている。

 

 「そーなんですか、知りませんでした。」

 

【0009】

 また発酵液や濾過工程でプリン体

除去した場合には、発酵により生成する

微量成分が吸着されてしまう為、香味の

バランスが崩れるなど、やはり香味に

悪影響を与える場合があることがわかって

いる。

 

 「香味は重要ですからね。」

 

【0010】

 以上のように、活性炭ゼオライトを用

いてプリン体を除去した場合には問題が

発生することが懸念されるため、香味に

悪影響を与えることなく麦汁中のプリン体

除去できる方法が望まれていた。

 

 「私も、大いに望みます。」

 

本発明者らは、このような課題に鑑み、

鋭意検討した結果、本発明を完成したもの

である。

 

 「なーるほど、鋭意検討したんですね?」

 

 ということで、

スチレン系合成樹脂を担体とする弱アルカリ

性のイオン交換樹脂を使い、3級アミンを

官能基として有し、最頻度細孔50[Å]、

比表面積800[m2/g]、および、細孔分布

8-100[Å]とするのが、麦汁中のプリン体

除去する方法として、良いんですって。

 

 5月31日発売と書かれていますので、

大酒飲みの王花陣先生は、これを飲まな

ずにいられりょか。

 

 ところで、本当においしくなっているんで

しょうか?

 

 乞うご期待。。。。。

 (私は、アサヒビールさんの回し者では

ありませんので、念のため。)