知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

サンコー鞄さんの四季颯レボライト

 最近、小型のスーツケースを引っ張って

いる人が多くなりましたよね。

 

 昔と違って、いろんなデザインの小型

スーツケースが出てきています。

 

 駅など混雑しているところでスーツ

ケースを引っ張っている人の後ろなど

歩いていて、前の人が急に立ち止まっ

たりすると、前のスーツケースにつま

づきそうになってしまうのがしょっ

ちゅうなので、なるべく、スーツケースを

引っ張っている人の後ろは歩かない

ようにしています。

 

 エースさんのプロテカシリーズのテレビ

CMなどは、よく見ます。

 

http://www.proteca.jp/ptv/

 

 エースさんが2月5日に発売した、「プロ

テカ360 メタリック」というのは、軽く

するようにアルミではなくて、ポリカー

ボネート樹脂などの表面に、裏側にアルミを

蒸着させたアクリルフィルムを貼って

アルミ感を醸し出させているそうで。

 (技術のほうは、株式会社ウェーブロック・

アドバンスト・テクノロジーさんのもので、

特許5118668 「金属触感を有する成形用

属調加飾シートおよびその成形品」など

となっています。)

 

 これの前に、2015年3月に発売した

360シリーズは累計販売が2万個を突破

したそうで、スーツケースなどの国内

かばん市場規模は1兆円規模になった

そうですね。

 

 海外メーカーではサムソナイトなどが

有名です。

 

 ということで、今回取り上げるのは、

あまり聞いたことがない(というのは、

私だけ??)、サンコー鞄さんです。

 

 この企業は、創業が明治26年、商号が

「サンコー鞄株式会社」、本社が愛知県の

長久手市、資本金1億1,500万円、従業員

数60名、取扱品目は海外旅行用スーツ

ケース、ソフトケースバッグ、旅行鞄付属

小物頬、ビジネスケース、特殊ケース他

となっています。

 

http://www.suncoluggage.com/

 

 この会社、昨年、「四季颯」というブラ

ンドを立ち上げて、ポリカーボネートより

も軽い、ポリプロピレン積層素材を使用し

「四季颯レボライト」というのを昨年10月

から売り出しているんです。

 

 この素材はもともと車の内装用に開発

されたものですが、ポリプロピレンを細かく

糸状に伸ばして編み込み、何枚も熱で

圧着しているので頑丈でひび割れにくいん

です。

(と、新聞の受け売りですが、素材は、三菱

樹脂グループのダイヤテックス株式会社の

特許となっており、特許4723765「複層

合成樹脂シート」などでは、ポリプロピレン

含む、ポリオレフィンで特許化されています)

 

 ということで、このスーツケースの特許

出願を、調べてみましょう。

 

 プラピ(J-PlatPat)さん、お願いね、

と念じると、出ましたね。

 

 特開2015-077258「耐久性に優れた

軽量化旅行鞄」というもので、

 

【課題】  耐久性に優れ、かつ軽量化

され、より多くの荷物を収納できる

旅行鞄の提供。

 

【解決手段】  シェル10、11を構成

する素材はポリプロピレンであって、

シェルのキャスター取り付け面13が

キャスター走行面30に対して7°から

45°の角度で傾斜していることを特徴と

するハード樹脂製シェルタイプの旅行鞄1。

 

だそうですよ。

 

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 商標のほうも、「かばん類,袋物,

皮革製包装用容器,携帯用化粧道具入れ,

かばん金具,がま口口金,蹄鉄」で、

以下のように登録されています。

 

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 スーツケースの意匠登録も以下の

ようなものがあるんです。

 

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 ということで。