知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

ジャスティさんの、みがわり君

 この前、もう一つのブログのほうで、

こまわり君について、ちょっと書きました。

 

http://oukajinsugawa.hatenablog.com/entries/2016/03/08

 

 今回は、こまわり君ならぬ、「みがわり

君」の話です。

 

 この「みがわり君」というのは、標準文字

というもので商標登録がされており、登録が

2009年、登録番号5288776、権利者「株式

会社ジャスティ」さん、指定商品は、

「機械装置の操作における安全性評価に

関する実験用人体模型,その他の理化学

機械器具」となっています。

 

 どんな商品なのか、なんだか、わかった

ような?わからないような?気がしますので、

意匠のほうも調べてみると、以下の登録が

あるんです。

 

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 ということで、なんかのマネキンか?と

いうと、マネキンと言えばマネキンだし、

マネキンでないと言えばマネキンでないし、

「一体どっちなんじゃい、はっきりしろい!」

と言われてしまいそうですので、ジャスティ

さんから写真を貼り付けさせてもらうと、

以下のようになるんです。

 

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 そうなんです、みがわり君は、人間の代わりに

車の衝突実験をおこなってくれる、強ーい見方

だったんですね。

 

 ということで、早速、株式会社「ジャスティ」

と打ち込んでみると、買い取り専門店の

ジャスティさんや、感性創造企業のジャスティ

さん、解体機械専門レンタル専門のジャスティ

さん、英語教室事業のジャスティーさん、

アウトソーシングのジャスティさん、賃貸

管理のジャスティさんなど、書ききれない

ぐらいたくさん出てきて、一体どうすれば

いーんだ?となってしまいますが、それら

には目もくれず、自動車衝突実験用ダミー

人形製造販売のジャスティさんを見てみま

しょう。

 

 まずは、ジャスティさんは、設立が平成6年、

本社が東京の江東区だそうですね。

(ちなみに私は田舎者なので、初めて東京に

出てきたとき、「えとうく」と読むものと勘違い

していました)

 

http://www.jasti.co.jp/

 

 資本金は2,000万円、テレビによると、日本

ではこの分野においてオンリーワン企業だそう

で、以下の取引先、得意先を見ると、日本、海外、

そうそうたるメンバーですね。

 

http://www.jasti.co.jp/about.html#outline

 

 ということで、早速どんな特許出願を

しているのか調べてみましょう。

 

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 登録されているものは、特許のほうを

選んでいますが、最近は、人体に、より

近づける研究をおこなっているようです。

 

 一番上の海外への出願を見てみると、

日本のほかに、USとEUで特許化されて

いるんですね。

 

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【要約】 人体ダミー体幹骨格部10は、金属系

材料又は合成樹脂系材料からなる複数

椎骨部21~26、各椎骨部21~26の間に

配置される合成樹脂系材料からなる複数

椎間緩衝部40、及び各椎骨部21~26を

変位可能に連結する金属系棒状部材から

なる骨連結部60を有する脊椎部20と、

脊椎部20の各椎骨部21~26に一端が

それぞれ連結されて各椎骨部21~26

ごとに一対をなす合成樹脂系材料から

なる複数の肋骨部31~36、及び各

肋骨部31~36の他端がそれぞれ

連結される合成樹脂系材料からなる

胸骨部50を有する胸郭部30とを備える。

 

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 上は、骨格、骨連結部に力を入れた

研究ですが、さらに、下のように、皮膚を

人間に近づけて、衝突時の切創などを

再現できる研究もおこなっているよう

で、以下は、指と、手の部分です。

 

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 衝突実験用人体模型と言っても、ヒュー

マノイドロボットにも通じる研究開発ですね。