知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

スーパーカミオカンデの基本特許?

 この前、特許庁&INPIT主催の「グロー

バル知財戦略フォーラム2016」という

のを聞きに行ってきたのですが、そこで、

「地域発イノベーションでローカルから

グローバルを目指せ」というところで、

浜松ホトニクスさんが発表をしていま

した。

 

 まあ、浜松ホトニクスさんは、ノーベル

賞の研究に使われた、カミオカンデ

スーパーカミオカンデで有名ですが、

この光電子倍増管の開発秘話などの

話は非常におもしろく聞くことができ

ました。

 

 ということで、発表資料によると、

設立が昭和28年(1953年)、

資本金が34,928百万円、連結売上高

1,206億91百万円、従業員数が

3,197名、主要営業品目が光電子

倍増管、イメージ機器、光源、

半導体素子、画像処理、計測

装置で、上場が1998年だそうですね。

 

 発表者の方は、昔の社名「浜松テレビ」

の由来や、ホームページに出ている、

「ある取引先から「光電子増倍管

作ったら浜松テレビ様と呼んでやるよ」」

と言った取引先の名前も「まあ、昔の

話なので」などと言いながら、その

取引先の名前も話していましたね。

 

 などなど話しながら、最初の光電子倍増

管は、ヒステリシスを改善して、発明に

こぎつけたんだそうで、特許公報の番号を

話していましたので、ちょっとこれを覗いて

見ましょう。

 

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 発明者の晝馬輝夫さんという方が、現在の

会長さんだそうで、社名も当時の「浜松テレビ

株式会社」となっています。

 

 発明のキモは、過度現象を抑えて、正確に

比例電流を出力できるように(すなわちヒス

テリシス特性を良くするんですね)、構造を

工夫したんだそうです。

 

 この初期の特許が、現在の、あの大きな

光電子倍増管に繋がったというのはすごい

もんです。(浜松ホトニクスさんからお金を

もらってほめているわけではありませんので、

念のため)

 

 それでは、現在は、ほかにどんなものを

作っているのか?というのも講演で話を

しており、ステルスダイシングといって、

半導体ウエハーなどをきれいに切れる

技術を開発したそうで。

 

https://www.hamamatsu.com/jp/ja/technology/innovation/sd/index.html

 

 この装置についてもいろいろ特許を

取得していますが、浜松ホトニクスさん、

私が検索できる期間での特許出願数は

8500件程度とすごい数ですので、どんな

研究開発をしてるんだ?という全体を見て

みましょう。

 

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 やはり、浜松ホトニクスさん、光電子

倍増管に軸足を置きつつ、レーザー

などでの研究開発も盛んなようです。

 

 意匠のほうを見てみると、いろんな

製品を開発しているのがわかります。

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