知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

デュエルさんというかヨーヅリさんの、イカ用疑似餌の特許はどうなっていますか?

 最初に謝っておきます。

 

 本格的な釣り師の方々がこの

ブログを覗くことがあるかもしれま

せんが、私はまったく釣りをしない

ため、デュエルさんのどの疑似餌に

この特許が使われているのか、

まったく知りません。

 

 ごめんなさい。

 

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 というのも、この話は、特許庁

出している、以下の、「特許vol22

(平成27年5月25日)」号に出て

いたんです。

 

http://www.jpo.go.jp/torikumi/hiroba/tokkyo_22/index.html#page=1

 

 デュエルさんでは、アイルマグネット

シリーズを改良して、新しい発明として

イカ用疑似餌を完成させたそうですね。

 

 従来の機構では、シャクリのときに、

マグネットが外れ、疑似餌の動きが損

なわれていたそうですが、このような

ことがないようにして特許を取得、

2015年の3月に日本で先行販売したら、

1か月で7万個強を売り上げたそうで。

 

 ということで、釣りに対してはちん

ぷんかんぷんの私ですので、これ以上

釣りについて書くことができませんし、

株式会社デュエルさんのホーム

ページを覗いても、特許情報も、どの

製品に使われているのかも書かれて

いませんので、早々に、特許を覗いて

みることに致しましょう。

 

 まずは、出願公開がされているのは

38件あり、海外に出願しているものも

7件ありますが、登録されているものを

見てみると、以下のようになっています。

 

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 ということで、まずは、以前のアイル

マグネットシリーズを見てみると、一番

下の特許2747502「疑似餌」というのが

そのようです。

(出願は、もう一つのブランド名のヨーヅリ

さんからで、登録時はデュエルさんに

変更されています)

 

【課題】 本発明は、擬似餌本体内の

中空部に保持された錘をキャスティング

時に初心者でも確実に離反させることが

でき、更に、錘を2個以上収容しなければ

ならない場合であっても、擬似餌を投げる

時には、各錘が後方側に移動し、且つ

着水後には、各錘を確実に保持する

ことができるように改良された擬似餌を

提供する。

 

【解決手段】 擬似餌本体1 内に中空部5 が

前後方向に形成され、且つ該中空部5 内

には錘7 が略中心線に沿って前後方向に

移動自在に収容されていると共に、前記

中空部5 の周壁5aの前寄り位置には、

前記錘7 を磁力を介して保持すべく

錘保持部10が設けられてなる擬似餌。

 

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 それでは、改良版はどれかというと、

一番上の特許5747367になり、以下と

なります。

(この出願は、PCT出願と言って、一度で

海外にも出願されており、さらに国内では、

急いで審査してもらう早期審査というもので

特許化されており、デュエルさん、よほど

重要だったのでしょう)

 

【0006】

本発明の目的は、キャスティング時に

錘が移動通路の後方へと移動し、且つ、

着水後に錘が移動通路の前方部に

保持されるルアーを提供することである。

 

【0008】

本発明の好ましいルアーは、前記移動

通路が、前記段部よりも前方にある第1

通路と、前記段部よりも後方にある第2

通路と、前記第1通路と第2通路を連通

させる連通路と、を有し、前記係止面が

前記第1通路における底部に対して傾斜

されている。

本発明の好ましいルアーは、前記連通路が、

1つの錘のみが通過可能な大きさに形成

されている。

本発明の好ましいルアーは、前記係止面の

傾斜角度が前記底部に対して90度以上

140度以下である。

本発明の好ましいルアーは、前記移動

通路内に、独立した2つ以上の錘が前後に

並んで収納されており、それらの錘のうち

少なくとも最後方の錘が磁性材料又は

磁石から形成されている。

 

【発明の効果】

【0009】

本発明のルアーは、キャスティング時には、

錘が移動通路の後方へと確実に移動し、

一方、着水後には、錘が移動通路の前方部に

確実に保持される。かかるルアーは、

安定的にキャスティングでき、水中において

良好に泳動させることができる。

 

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 このルアーを持っている方は、釣れて

いるんでしょうかね。