知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

特許出願に見る人工降雨装置

 自然災害対策編その7です。

 

 ということで、A01G15/00「気象の

状況に影響を与える装置または方法」を

検索して、台風対策や、ゲリラ豪雨対策、

温暖化対策などを見てきたわけですが、

実は、このIPCで検索して一番多かった

のは、雨を人工で降らすという、「人工

降雨方法」というのが一番多かったん

です。

 

 ゲリラ豪雨などは最近問題が顕在化

してきましたが、これまでは、逆の、

砂漠化や、干ばつなどの影響で、野菜や

米が不作になるといった問題に対処する

ことが重要だったのでしょう。

 

 雨を降らす方法というのは、ドライアイス

ヨウ化銀などを雨雲の中に散布し、人工的に

雨を降らせるというのが現在でもおこなわれ

ており、散布の方法としては、飛行機やロケット、

大砲などで散布する方法が取られているよう

です。

 

 ただし、どんな場合でも雨を降らせられるかと

いうと、現在では、ある程度発達した雨雲が

ある場合に限り有効で、雲の無い所に

雨雲を作って雨を降らせるのはまだできて

いないようで、すなわち、自由に降水量を

制御できるまでには至っていません。

 

 ということで、上記のような方法の改良

ではなくて、全く違った方法で雨を降らすと

いうような出願があるのか見てみましょう。

 

・ 特開2011-101644「人工降雨発生方法」

【課題】 本発明は、例えば、砂漠に雨を

降らせ川や湖を造り木々を繁らせて温暖化を

防止できる人工降雨発生方法を提供すること。

【解決手段】 海水や淡水などの水を蒸気化

して凝結核とともに上昇させて風の流れに

乗せて目的地上空まで飛ばすことにより

降雨を促すようにする

 

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・ 特開2011-024548「人工降雨等発生方法」

【課題】砂漠緑化が促進されて温暖化防止

をも達成できるようにした人工降雨等発生

方法を提供すること。

【解決手段】雨雲などの多湿気を強制上昇

流発生システムにより自然流でなく強制的な

上昇流として起生して立ちはだかる高い山脈を

越えさせることで山脈の向こう側の乾燥地帯

までも雨雲をもたらして降雨を発生させるよう

にする。

 

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・ 特開2010-252767「乾燥地帯における人工降雨装置」

【課題】

地球には太陽熱が降り注ぎ、地球を暖めて

います。そして陸地や大洋を暖め、太陽熱で

海、河、湖、陸地の水分を蒸発させて、雨、

雪、霧、となり地表に降ります。地球の水の

97,4%は海にあります。雨、雪、霧は

陸地より海に降ります。砂漠は陸地の

1/4~1/3を占めます。陸地の広大な

面積が砂漠のような乾燥地域と険しい

山岳地帯と氷に閉ざされた極地です。

最近では都市が自動車、ビルの顕熱の

増加で砂漠化してきています。

【解決手段】 地球の乾燥地域は非常に

広大な面積です。この広大な乾燥地域に

エアーワッシャを設置して、海水をエアー

ワッシャで噴霧してやれば、乾燥地域の

空気を洗浄して綺麗にして湿度を与え、

雨を降らせることが出来ます。砂漠に

雨を降らせることが地球温暖化を防ぎ、

乾燥地域がなくなります。人々が、農耕が

出来るようになると地球の食糧問題、

環境問題、皆解決します。

 

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・ 特開2010-136626「造雲機」

【課題】

近年、過度な樹木の伐採や温暖化などの

影響で砂漠化などが進み、水不足になる

地域が増えている。特に砂漠化のスピードは

早まっており、大きな問題となっている。

【解決手段】

豊富にある海水などに目をむけ、

低ランニングコストで雲を発生させる

機器を考案した。1メートル角程度の

フロートに、太陽電池を使った超音波

加湿システムを設置し、日照と連動

して海水などの蒸発を促す。フロートの

内部は空気または発泡材で、太陽熱で

素早く暖まり、水温が低い状態でも

フロート上面では空気が暖まりやすく、

蒸気を上昇させることができる。

 

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・ 特開2009-296997「水蒸気団生成移動

上昇装置および人工降雨の発生方法」

【課題】生成された水蒸気団を含む大気を

必要な方向に移動させ、あるいは必要な

高さに上昇させるとともに、水蒸気団を

生成するための毛細管の機能を持続

させることが可能な水蒸気団生成移動

上昇装置と、この水蒸気団生成移動

上昇装置を用いて人工降雨を効果的に

発生させることが可能な人工降雨の

発生方法を提供する。

【解決手段】水膜形成部材1と発熱部材11

とが一列ごとに交互に配置されている。

発熱部材11はその表面に彩色が施されて

おり、この発熱部材11に太陽光が照射

されて、太陽光からの光エネルギーが

吸収されて熱に変換される。発熱部材11は

水膜形成部材1の周囲に配置されている

ため、水膜形成部材1によって生成された

水蒸気は、発熱部材11によって加熱され、

上昇気流を生じて、上空に湿度の高い

水蒸気団、すなわち雲を発生する。

 

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・ 特開平11-196688「プラーナを用いた人工降雨装置」

【課題】 従来の人工降雨方法は化学反応に

頼ったもので、晴天時にはほとんど効果は

期待できない。上空に雲がある場合でも従来

の方法では大量の雨を降らせることは

ほとんど不可能で在る。この点、本発明の

プラーナを用いた人工降雨装置では、晴天時

でも雨を降らせることが可能であり、また

多くの降雨を引き起こすことができる。

【解決手段】 本発明では雨を人工的に

降らせるためにプラーナを用いた。プラーナは

自然界に存在するもので通常は大変希薄な

ものである。このためこのプラーナは通常

なんの作用も起こさない。本発明の装置に

よってこのプラーナを通常の一万から十万倍

まで凝縮する。プラーナは水分を強く引き寄せ、

結合する。凝縮されたプラーナを長いアルミの

パイプで上空に放射し、上空で膨大な量の

プラーナが水分を集め、雨雲を生成する。

雨雲の発生により、雨が降り出すのである。

 

【特許請求の範囲】

【請求項1】 プラーナ(宇宙の根元粒子)を

用いて人工的に雨を降らせる装置。地球上の

何処にでも存在するプラーナを凝縮して、

それを空に向かって放射する。プラーナには、

磁石に鉄が引き寄せられるように大気中の

水分を引き寄せる性質があり、凝縮された

プラーナを上空に放射することにより大量の

水分が狭い地域に集まり、雨雲の発生を促す。

そして最終的には雨となって地上に降ると言う

一連の動作を促す装置。

 

【課題を解決するための手段】 本発明に

よる人工降雨装置は、従来全く着目され

なかったプラーナ(別名オルゴンエネルギー、

東洋では「気」、西洋では「宇宙エネルギー」と

称されているもの)をつかって晴天時でも雨を

降らすことを可能とした。

【0007】 プラーナは自然界に実存する粒子

であり、水分を引き寄せる性質がある。

【0008】 通常状態ではプラーナはその

空間に対する密度が極めて低く、そのままの

状態ではほとんど何の作用も引き起こさない。

 

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(ちなみに、上記は、特許文献に記載されて

いるものを単に転載紹介しただけであって、

私が、この「プラーナ」の存在を保証する

ものではありませんので念のため。)