知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

アルケアさんのロコモスキャン

 「ロコモスキャン」って何だ?という

ところですが。

 

 というか、アルケアさんて、誰だ?と

いうところですね。

 

 アルケアさんて、昔はギプスの製造

会社だったそうですが、現在は医療器具

メーカーさんで、正式名称「アルケア

株式会社」、創業は1955年、本社は

東京都墨田区、資本金9,000万円、

売上高が137億円、事業内容は、

メディカルケア、ホームヘルスケア、

スポーツ&セルフケア用品の開発並びに

製造・販売、輸出入、となっています。

 

http://www.alcare.co.jp/index.shtml

 

  事業内容の詳細は、身体運動に

関わる骨、筋肉、関節、神経などの

疾患や障害に対するロコモティブケア、

創傷ケアのウンドケア、人工肛門・人工

膀胱造設や、高齢化排泄管理のオスト

ミー&コンチネンスケア、在院時の

ナーシングケアの四本柱だそうで。

 

 それでは、最初に戻って、「ロコモ

スキャン」て何だ?というと、身体

運動に関わる運動機能が低下して

いないかを測定するための測定器

なんです。

 

 これは、日経産業新聞2016年1月

12日号によると、利用者の足首に専用

ベルトを巻いて固定し、太ももに力を

入れて、ベルトに加わる力から筋力を

測るんだそうですね。

 

 別に個人に販売しているわけでは

なくて(個人で買う人はいないと思い

ますが)、人間ドックとかの医療専門

機関に販売しており、税別90万円

だそうで。(と新聞に書いてありました)

 

 ということで、知財関係はどうなって

いるのかをちょと覗いてみましょう。

 

 まずは、商標を見ると、登録5461202号

と5461203号で、「ロコモスキャン」、

「LOCOMO SCAN」で登録がされて

いますので、測定機械器具,電気

磁気測定器,電気通信機械器具,

電子応用機械器具及びその部品,

運動技能訓練用シミュレーター、

おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持

包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,

スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,

ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,

避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん

用材料(歯科用のものを除く。),医療用

機械器具、運動用リハビリテーション

器具,運動用具に使うと怒られますので、

「乳首」!!にも使わないように致しま

しょう。

 

 意匠のほうを見てみると、142件

出ており、ロコモスキャン関係は

出ていませんが、サポーター関係や、

腰部固定体等いろいろ出ています。

 

 ロコモスキャン関係の筋力測定器の

発明はどうなっているのかというと、

特許5633001「筋肉評価装置、筋肉の

性能及び/又はトレーニングメニューの

判定方法」となっていて、ロコモスキャン

ではないですが、特許5017618「筋力

トレーニング用装具及び筋力トレー

ニング方法」などもあるんです。

 

特許の5633001を見てみると、以下の

ようなものだそうです。

 

f:id:oukajinsugawa:20160119123350j:plain

 

f:id:oukajinsugawa:20160119123407j:plain

 

 要約によると、筋肉の性能及びトレー

ニングメニューを簡便かつ的確に判定

できる装置又は方法を提供する方法

だそうですよ。

 

 ちなみに、ロコモスキャンの測定装置

自体は、まだ登録がされていない特開

2015-33517「下肢筋力測定装置」という

ものです。

 

f:id:oukajinsugawa:20160512142128j:plain

 

 ということで、アルケアさん、どんな

研究開発をおこなっているかというと、

事業内容に書かれている内容の

研究開発をおこなっていますね。

 

f:id:oukajinsugawa:20160119123435j:plain

 

 液体包帯というのもあるんですね。

 

 一つ勉強になりました、です、はい。

 

 ということで、アルケアさんに是非

頑張っていただいて、ボケボケ王花陣

老人も使えるような運動プログラム

なども開発していただけると助かります。