知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

知られざる特許の旅 第9回   明治時代の技術 1

 前回の続きで、次は、「錠及鍵」で、 東京の

長野幸吉さんの発明です。

 

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  容易に合鍵を製造できないものだ

そうで、江戸時代のようび粘土に鍵を押し

付けて、型を取る方法ではダメなんで

しょうか??

 

 明治21年3月から4月までの2

か月で販売数量450個、売上70円

70銭、専売特許にして得た利益は

11円と効果がありました。

 

 特許年限は10年ですので、15円の

特許料も差し引いた金額なんでしょう

か?

 

 こちらのほうも長野さんは製造に徹して、

販売は委託しているそうです。

 

 次は「下駄歯」で、 東京の中村小兵衛

さんから出ていますが、特許権者が黒田

卯之助さんでしたので、中村さんが特許権

譲り受けたようです。

 

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 この下駄の歯は鋼でできているそうで、

上の孔で下駄にねじ止めするそうで、

鋼でできているので、磨滅しにくいんだ

そうです。

 

 明治19年10月から21年4月にかけて

販売数量5,641足、販売額1,462円38銭、

販路は東京が最も多く、次が大阪、その他

北海道、長野、新潟、神奈川、福井など

全国規模だったんです。

 

 専売特許にして儲かった利益は780円

あまりで、すんごい儲かったんですね。

 

 販売額の半分以上ですので、原価は

かなり低いのでしょう。

 

 最後は便利炭です。 

 

 発明者は、本籍愛媛の西羅光造さんで、

粉炭を煉合した煉炭なんです。

 

 明治19年6月から21年4月での

販売数量652,500個、売上435円、

販路は明治19年から20年までは

相応に売りさばけたのですが、21年に

入って、不振なんだそうです。

 

 なんでなんでしょうね?

 

明治21年のできごとを調べると、非常に

暑く、氷がよく売れたとなっていますので、

21年の1月からも、あったかかったので

しょうか?

 

 130年近くも昔のことなので、よくわかり

ません・・・・・。

 

 ということで、専売特許にして儲かった

のか?というのを見て来ましたが、儲かった

人もいたようですが、総じて、赤字だった

人が多かったのではないでしょうか?

 

 まあ、特許にしただけではダメで、販売

方法などの工夫も必要ですからね。

 

 ということで、赤字黒字はこれぐらいに

して、明治時代の技術動向を見て行く

ことに致しましょう。

 

 前回書いたときから、ずいぶん間が空いて

しまいましたので、もう一度同じマップを

載せておきます。

(登録1番から400番までのうち、技術分類が

わかっている333件の内訳です)

 

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 まず明治時代の専売特許で、一番多い

のは上のように、照明関係で、江戸時代が

終わっても、夜になるとまだまだ暗い時代

だったでしょうから、家庭内、歩行時など

での照明が必要不可欠だったのでしょう。

(下の「分類」というのは、「登録番号」

の間違いです。すんません)

 

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 上の、洋灯というのは、ランプのことで、

日本に、昔の行燈や蝋燭のかわりに

入って来て、電灯が点るまでは活躍

していたんですね。

 

 ランプには、点火器、消火器、風よけ

とかが必要だったようですが、この中の、

166号「杖灯」と、235号の「浮標付洋灯

壺」というのを見てみましょう。

 

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 まずは、上図のように、ちょっと上の

ところにランプを付けた杖なわけですが、

風雨が激しくても、提灯よりも風で火が

消えることが少ないんです。

 

 しかし、これって、本当に売られていたの

でしょうか?

 

 杖を使う方は、お年よりや、足が弱い

方でしょうから、転んだ時に、火が付いたり

しなかったんでしょうかね?