知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

特許情報に見る、Googleさんの研究開発 その1

 Googleについては、この前、ウエア

ラブルの血糖値センサーの特許情報を

書きましたが、このほかにも、コンタクト

レンズでも血糖値を測ったり、いろんな

体の情報を収集したりする技術も開発

していますし、自動運転の技術開発は

有名ですし、ロボットメーカーの買収

でも話題を集めました。

 

 ということですので、スマホ分析の

ほうでも特許情報分析をおこなう予定

ですが、スマホ編では、日本の出願情報

からスマホに焦点を集めて調べて行く

予定ですので、こちらの分析は、米国の

出願、登録情報からGoogleさんの、

全体の研究開発状況を調べてみましょう。

 

 まずは、出願と登録されたものの重複を

除いて検索すると、以下のように、年ごとに、

公開件数はうなぎ登りとなっています。

 

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 これを、筆頭IPC分析をおこなうと、

一番上の、情報検索に軸足を置きつつ

(計算、計数となっていますが、主に

情報検索プロトコルです)、Android

などの電気通信技術、スマホなどの、

音響、信号講処理などもありますが、

ほかにも航空・宇宙や健康関係なども

あるのがわかります。

 

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 ということですので、最近の研究開発は

どのようなものなんだ?という詳細の前に、

ここ2年間の1万件弱に的を絞って、どこと

仲がいいんだ?というのを調べると、以下の

ように、モトローラ・モビリティーを2014年

レノボに売却してしまいましたが、ローラ

さんと仲がいいんです。

(ではなくって、モトローラさんと仲が

よかったんですね。)

 

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 次のGeneral Instrumentというのは、

米国ペンシルバニア半導体や電子

デバイス関係の企業で、モトローラ

・モビリティに買収された後、グーグル

からArris Group(アメリカンテレコミュニ

ケーション)に売却されてしまい、NEST

さんは2014年にグーグルに買収された、

米国カリフォルニアのホームオートメー

ション機器メーカーさんですね。

 

 INTERNATIONAL BUSINESS MACH

(INSが切れてしまいました。すんません)

って何だ?と言った人いませんか?

 

 これは、IBMの、正式名称なんです。

 

 このように、アメリカの会社って、売却、

買収が忙しくて、何が何だかわからない

わけでして。

 

 ちなみに、Googleが買収した企業は、

以下のように、ウィキに出ています。

 

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_mergers_and_acquisitions_by_Google

 

 それぞれ、リンクが張ってあって、

優れものですよ。

 

 2013年12月から2014年1月にかけて、

Googleさんが立て続けに買収をおこ

なって話題になったロボット関連企業は、

 

・ 東大からスピンオフして、災害救助

ロボットS-Oneでおなじみの「SCHAFT」

(日本のベンチャーキャピタル資金

提供をしてくれなかったので、Google

に頼った、と言われていますね)

 

・ Robot Operating System(ROS)を

開発するWillow Garageから、スピン

アウトした、「Industrial Perception」

 

・ 人との協働ロボットを目指す

「Redwood Robotic」

 

・ 上体だけのヒト型ロボットなどの研究用

プラットフォーム開発の「Meka Robotics」

 

・ 移動ロボット用の無指向性車輪の開発

の「Holomni」

 

・ モーションコントロールカメラなどの

Bot & Dolly」

 

・ Bot &Dollyのロボットなどを使った広告

映像製作の「Autofuss」

 

・ スマートサーモスタットなどの

「Nest Labs」

 

・ 人工知能の、UK「DeepMind Tecnologies」

 

となるんです。

 

 ここで、「ちょっと、待った―」と、オードリー

の春日さん張りに大声を張り上げた人、

いませんか?

 

「あんたは、偉い!!!」

 

 そーなんです。

 

 「Boston Dymamics」を忘れちゃいません

か?」というところですよね。

 

 Boston Dynamicsさんは、以下がHP

となりますが、先ほどのウィキの139で、

説明に飛ぶようにリンクが張られています。

 

http://www.bostondynamics.com/

 

 この企業は、DARPA(米国防総省高等

研究計画局Defense Advanced Research

Projects Agency)など用に、ロボットを開発

しているベンチャーで、ホームページを見て

もらえばわかるように、

 

・ 牛みたいな恰好で荷物を積載し野山を

歩くことができ、転んでも一人で立ち上がる

「LS3」

 

・ 「完全にロボットですね!」という

「Atlas]

 

・ ヒューマノイドロボットの「Petman」

 

・ 50Km/h近くのスピードで走る「Cheetah」

 

・ 山岳地帯もものともしない「BigDog

 

・ 9mも飛び上がることができる「SandFlea」

 

・ 6本の足を回転させながら進む「RHex」

 

・ ヤモリのように垂直に登ることができる

「RiSE」

 

・ 4本足の「LittleDog」

 

などがあるんです。

 

 ということで、Googleの特許情報を検索

しても、このBoston Dynamicsは出てきませ

んので、Boston Dynamicsさんの特許情報を

ちょっと調べておきましょう。

 

・ US8126592「ACTUATOR SYSTEM」

 

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・ US2005/0275367

ROBOT AND ROBOT LEG MECHANISM」

 

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・ US2012/0259460「HOPPING ROBOT」

 

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・ US6484068「ROBOT APPARATUS

AND METHODE FOR CONTROLLING J

UMPING OF ROBOT DEVICE」

 

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 なんか、見たことあるような???

 

 そうなんです、ソニーさん、「アイボ」を

やめてしまいましたが、開発当時は、

Boston Dynamicsさんが協力していて、

US6484068は、ソニーさんとの共願なん

です。

 

 ということで。