知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

電池要らずの電気自動車?

   今回は、豊橋技科大、大平先生の、

研究の話です。

(としたり顔?で書いていますが、全然

面識はないんです。すんません)

 

 ガソリン要らずで、しかも電池も必要

なくって、地面から電気を常に受け取って

走れる電気自動車があったら便利です

よね。

 

 下のURLのように、英国では、非接触

充電レーンというのを設けて試験をおこ

なうそうですが、まだまだ、100%電気を

受け取って走るまでにはいかないんでは

ないかと思います。

 

http://www.huffingtonpost.jp/engadget-japan/uk-ev-lane_b_8006804.html

 

 日本ではまだ英国の実験までは行きま

せんが、供給ステーションで非接触充電

できる、非接触給電ハイブリッドバス

などは走っているようですが。

 

http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/newsevent/news/bus/2011/bus_i_201101241_h.html

 

 じゃあ、日本では、電池要らずで走り

ながら電気を受け取り走行できるような

研究はされているのか?というと、たと

えば、豊橋技科大の大平孝先生(教授)

と、豊田中研さんから、特開2012-

175869「車両給電装置及び車輛給電

方法」などが出ているんです。

(特許5777139号です)

 

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 これは、どんな内容かというと、

 

【課題】は、「車両に対して、駐車、

走行時に、構造簡単にして、安定して

高効率で給電すること」であって、

 

【解決手段】は、「車両の有する第1

タイヤ11の下方に設置された第1導体

21と、車両の有する第2タイヤ12の

下方に設置された第2導体22とから、

第1タイヤ11及び第タイヤ12を介して、

車両に給電する車両給電装置であり、

第1タイヤ11に近接し、第1タイヤ11と

容量結合して、車両に配設された第1

電極41を有し、第2タイヤ12に近接し、

第2タイヤ12と容量結合して、車両に

配設された第2電極42を有する。第1

導体21と第2導体22の間に給電され

る交流電力を、第1電極41と第2

電極42により受電する受電装置40を

有し、第1導体21と第2導体22の間に

交流電力を給電する電源装置30を有

する。」んです。

 

 まあ、上のように、道路からタイヤを

通じて電力を受け取って走行するわけ

ですが、大平先生のところでは、まずは、

1周20m程度のコースで、バッテリー

なしの車で、走行テストをおこなって

いるそうで、残念ながら、まだ時速

6㎞程度だそうですし、特許の図に

あるように、ある程度のバッテリーは

必要でしょう。

日経産業新聞の受け売りです)

 

 この技術を実現させるためには、

やはり上の図にあるように、道路に

金属シートを埋め込む必要があります

ので、インフラ的に結構難しいものが

ありますが、それはさておき、原理と

しては、道路に埋め込まれた金属

シートと、タイヤのリボン上金属メッ

シュで作られたスチールベルトとの

間がコンデンサーとなり、電界結合

方式により給電できるそうなんです。

 

 大平先生、インフラ部分では、大成

建設さんと、共同研究を開始している

そうで、東京五輪の2020年までには

実用化する決意のようで、天候面など

の路面状態の影響などもまだまだ

研究課題は多そうです。

 

 それでは、ほかにもこのような研究が

されているのか?というのを調べて

みましょう。

 

 まあ、いろんな技術分類が考えられ

ますが、この特許文献に付されている、

IPCのうちの、

H02J7* 電池の充電または減極または

    電池から負荷への電力給電の

    ための回路装置

H02J17/00 電磁波による電力給電または

     電力配電のための方式

B60L5* 電気的推進車両の動力供給線の

    ための集電装置

を使って、いつものように、いいかげん

検索??をおこなってみましょう。

(仕事で分析するときには、きちんと

検索しましょうね!!)

 

 そうすると、ここ10年で見てみると、

2015年は、まだ1か月ありますが、最近、

富に研究が加速されているようです。

 

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 出願人の上位10社は、以下のように

なりますよ。

 

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 最近の公開は、以下のようになって

いますので、興味のある方は、自分で

内容を調べてみてください。

 

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 ということで、大平先生、どんどん

研究をしていただいて、便利な世の中に

してください。

 

 それでは、また。