知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

寺西化学工業株式会社

 「知っとるけ」シリーズの第4弾です

 

 寺西さん、知ってます?

 

 寺西化学工業さん・・・・・・・。

 

 ものすごい有名な会社ですよ。

 

 てゆーか、有名なのは、会社名なの

ではなくって、作っている商品なん

ですが。

 

 商品を見れば、知らない人はいない

のでは?というぐらい有名な商品です。

 

 商品を見るまでもなく、商品名を聞けば、

「あー、あれね」と商品の形が頭に浮かんで

来るぐらい有名ですよ。

 

 普通、商品があっても、若い人にだけ

知られているとか、お年寄りだけに知られて

いるとかありますが、この商品は、老若

男女を通じて知らない人がいないのでは?

というぐらいの超有名商品です。

 

 ただーし、この有名な商品名は、この

寺西さんが商標登録しているんではなくって、

内田洋行さんの登録商標なんです。

 

 どうです?わかりました?

 

 えー!!、まだわからない?

 

 それでは、寺西さん、どんな商標登録が

あるのか直近の10件を見てみましょう。

 

f:id:oukajinsugawa:20151019165835j:plain

 

 どうです? わかりました?

 

 それでは、意匠登録を見ると、以下の

ようになっていました。

 

f:id:oukajinsugawa:20151019165858j:plain

 

 どうです?

 

 どんな特許を取得してるのかな?と

見てみると、特許4594625「油性顔料

インキ組成物」や、特許3260876「ボード

用水性マーキングペンインキ」などが

あるんです。

 

 さらに、「えーい、おまけだ、持ってけ

どろぼー(ちょっと違いますね)」という

ことで、「マジック」と言って、思い

浮かべるのは何でしょう?

 

 奇術や手品の「マジック」を思い浮かべ

ますし、もうひとつ、油性フェルトペンの

「マジック」を思い浮かべるのではないで

しょうか?

 

 そうなんです、「マジックインキ」を

製造しているのは、この「寺西」さん

なんです。

 

https://www.guitar-mg.co.jp/product/detail_47.html

 

 上のURLではマジックインキ大型は、

1953年に日本で最初に開発・発売された

油性マーキングペンだそうで、「2008年

グッドデザイン賞ロングライフデザイン賞

受賞」というところをクリックすると、

「1951年開発で、「マジック」「マジック

インキ」は株式会社内田洋行登録商標

です」と書かれています。

 

 マジックや、マジックインキって、普通

名称だと思っていて、油性ペンのことを

マジック、マジック、と言っていましたが、

実は、登録商標だったんです。

 

 何で、内田洋行さんの登録商標なの?

というのは、下のマジックインキ誕生物語

に書いてあり、一緒に開発、発売した内田

洋行さんのほうで、商標登録したからなんだ

そうです。

 

http://www.guitar-mg.co.jp/story/index.html

 

 ということで、マジックのほうは、商標

登録番号433990号、登録日が1953年10月

31日、 印刷インキ(「謄写版用インキ」を

除く。)や謄写版用インキ 文房具類などに

使うと怒られてしまいますし、ほかの

メーカーの油性ペンの呼び方は、マジック

ではないんです。

 

f:id:oukajinsugawa:20151019170102j:plain

 

 もう一つのマジックインキのほうは、

登録505150号と、2714251号と

なっています。

 

f:id:oukajinsugawa:20151019170133j:plain

 

f:id:oukajinsugawa:20151019170145j:plain

 

 尚、寺西さんは、正式名称「寺西

化学工業株式会社」、創業は大正5年の

1916年、本社は大阪市旭区、資本金

8000万円(1976年に資本金2億4000

万円に増資し、現在に至ると書いて

あるのですが、HPの上のほうでは

8000万円になっており、何でなんで

しょう?)、従業員数104名、商品は

油性筆記具、水性筆記具、描画材、

産業用固定マーカーなどとなって

います。