知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

どろ~~~~ん

 伊賀の影丸か、影の軍団服部半蔵か?

というところですが、今時、忍者を思い浮か

べる人はいませんね。

 

 そうです、「ドローン」です。

 

 「ドローン」って何だ?というのを今時

知らない人はいないわけでして。

(知らない人がいたら、「官邸にドローン

落下」などのニュースに興味がない人

ですね)

 

 ドローンて、どっかの登録商標なのか?

というと、全然違って、「ドローン」って、

れっきとした、英語の普通名詞なわけで

して、英語では、「drone」であって、

意味は、みつばちの雄のハチのことなん

です。

 

 これが転じて、英語の意味でも「無人の

飛行機」とか、「ラジコンの飛行機」とかの

意味もあるようになったんです。

 

 知ってました?

 

 「バッカヤロー、そんなの、あたり前田の

クラッカー」、と言った方は、年がばれて

しまいますよ。

(ちなみに、ご存じない若い方のために

説明すると、上のセリフは、「てなもんや

三度笠」という昔のコメディー番組で、

主役の藤田まことさんが、スポンサーの

前田製菓に引っ掛けて、「俺がこんなに

強いのも、あたり前田のクラッカー」という

お決まりのせりふだったんです。 その

ほかにも、「耳の穴から手ぇ突っ込んで、

奥歯がたがた言わしたるぞ」や、今なら、

「ピアノ売ってちょーだい」財津一郎さんの、

「ヒッジョーに、キビシー」や、「許して、

チョーダイ」などの流行語があり、その

当時の子供は、皆、真似していたんです)

 

 今でも前田製菓さん、ご健在??の

ようですね。

 

http://atarimaeda.com/

 

 ということで、今回は、「てーなもんや、

てーなもんや」の、「てなもんや三度笠」の

話ではありませんので、「ドローン」の

話に戻して、ドローン、最近話題にのぼら

ない日はないですね。

 

 ドローンは、2014年頃から話題になり

始めたのですが、商標登録出願を調べると、

これが顕著なんです。

 

 試しに、小文字含む「DRONE」が入って

いる出願と、称呼で「ドローン」が入って

いる出願を検索すると、以下のように、

めちゃくちゃ多くなっています。

 

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 内容を見てみると、指定商品・役務が、

「無人航空機の操縦技術等」で、以下の

出願や、警備用ロボット等での「セコム

ドローン」など、まさに、「ドローン」に

関係する出願もありますが、圧倒的に

多いのは、まったく飛行物体とは関係

ないものなんです。

 

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 ちなみに、「株式会社ドクター中松創研」

さんからも、指定商品・役務が「場所、

広場、公園」で、以下のような出願が

されているんです。

 

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 さすが、ドクター中松さん、素早い

ですね。

 

 尚、ドローンとは関係ないですが、

ドクター中松さん、以下のような

商標登録や出願がありますよ。

 

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 下は、さすがに拒絶になりましたが。

 

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(「FEDEKATION」というのがいいですね)

 

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 ということで、話をドローンに戻して、

2015年になって、沢山の出願があるわけ

でして、現在、特許庁さんでは、一生懸命

審査がおこなわれているんですが、出願

しても登録されないものがあるんです。

 

 その一つに、商標法の3条1項1号

「その商品又は役務の普通名称を

普通に用いられる方法で表示する

標章のみからなる商標」というものが

あって、「DRONE」というのは普通

名詞ですし、これが日本語になって

「ドローン」と呼んだとしても

「日本語でも意味がわかるよね」、

と思いますので、もし飛行物体に

「ドローン」という商標をつけて、

「登録させてね」とお願いしても、

「登録なんてしてやんないもんねー」

と言われる可能性が大きいんです。

(その商品、役務が、飛行物体

「ドローン」と全く関係ない場合には

また話は異なります。

商標審査基準〔改訂第11版〕では、

登録されない例として商品「時計」に

ついて、「時計」の商標、役務「美容」

について、「美容」の商標はダメよ、

となっています。(それ以前の版でも

同じですが))

 

 この登録されるか、登録されないか

というのの判断は、出願ごとに異なり

ますので、今後、どのような出願が

登録されるのか、注目して見てみま

しょう。

 

 それでは、ドローンの研究開発は、

どのような企業がおこなっているのか

というのは、会社四季報業界地図2016年版

(9月10日発行)や、日経業界地図

2016年版(8月27日発行)を覗いて

みると、シェアが大きいファントム

シリーズで有名な中国DJI、米国サイ

ファィワークス、3Dロボティクス、

仏パロット、独マイクロドローンズ、

日本のエンルート、プロドローン、

自律制御システム研究所などが取り

上げられています。

 

 このへんは、ベンチャーなどが多く、

合併や買収が多いでしょうから、

特許出願を調べてから、よく見てみる

ことに致しましょう。

 

 特許出願は何を調べればいいいの?

というと、技術分類のIPCにB64「航空機;

飛行;宇宙工学」というのがあって、

B64C「飛行機;タケコプター(では

なくて、ヘリコプターですね)」という

のがありますので、さらにこの中の

13/00「飛行操縦翼面,揚力増加

フラップ,空気制動装置,または

スポイラを作動するための操縦系統

または伝達系統」や、27/00「回転翼

航空機;回転翼航空機特有の回転翼」

などをメインに検索をかけて行く

ことになりますよ。

 

 ということなのですが、今回は、

関係ないことを書き過ぎて、長くなって

しまいましたので、続きはそのうち、

また書くことに致しましょう。

 

 それでは、また。