知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

小学生の大発明

 先週、いろんなテレビ局で、小学生が

特許を取得したというのをやっていました。

 

 テレビ局って、新聞とかほかのメディアで

報じられると、すぐ取材に行くんですね。

 

 というのは置いておいて、この特許、

メディアで「磁石でスチール缶とアルミ缶を

選り分けるんだ」ということで、現物を

見せていました。

 

 この小学6年生の生徒さんは、他にも

本棚とか発明しているそうで、すんごい

もんです。

 

 ということで、この生徒さん、どんな特許

を取得したのか見てみると、出願は、この

1件だけのようです。

 

 発明の名称は、「空き缶分別箱」、

出願が昨年の2014年12月8日、審査請求を、

すぐおこない、さらに、「なんとか早く

審査お願いできませんか」とお願いしたら、

特許庁さん、「よーし、わかった、すぐ

審査してあげようじゃーないか」という

ことで、諸肌脱いで(ではなくって、

一肌脱いで)、一生懸命審査してくれ

ましたので、今年の2015年の8月14日に

めでたく登録されたんです。

 

 まあ、それまでにも、平成26年の9月の

8日から9日にかけて小学校の体育館で、

夏休み作品展で発表してしまったので、

このままだと、「新しくないよね」と言われて

しまうので、「新規性の例外をお願いでき

ますか」とかお願いしたり、「発明が

詳細な説明に書かれていないよね」とか

(特許法の36条6項1号といいます)の

拒絶理由が通知されて、書き方を直したり、

意見を言ったりして、登録までには涙

なくしては語れない??経緯があったん

です。

 

 個人で出しているので、お父さんか

お母さんがいろいろ書いてくれたのかな?

と思ったら、特許事務所にお願いして

いましたので、頑張りましたね。

 

 テレビでは、「磁石にくっつかないように、

磁石と缶の間にシートを配す必要があり、

このシートの長さをどのくらいにするのかを

いろいろ実験した」と言っていましたが、

請求項の2で、長さを20~40mmに

するんだと書かれています。

 

 特許文献によると、これまでも磁力で

スチール缶を選り分ける特許出願があり、

キモは、磁石を使うことではなく、上記の

ように、それを適正に選り分けるという

機構だそうですよ。

 

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 しかし、我々小学生の頃は、毎日毎日

真っ黒になって遊びほうけていて、発明

などという概念はなかったですので、

最近の子供さんも捨てたもんじゃない

ですね。

(毎日毎日遊びほうけていたのは私

だけで、昔も発明をする小学生がいたの

かもしれませんが)

 

 今後も、これを糧にして、未来の

ノーベル賞に向かって、頑張って欲しい

ものです。

 

 尚、さらに詳細を知りたい方は、登録

番号第5792881号ですので、覗いてみて

ください。