知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

特許分類検索上級編 第9回  FIとFタームの関係性

 それでは、今回は、FIとFタームの関係から

見て行きましょう。

 

 まず、FIには、個別のFI毎にFタームの

「解析要否」というのが設定されています。

 

 「解析要否」って何だ?というところなの

ですが、「解析要否」というのは、そのFIに

ついて、Fタームで分類されているか否か?、

ということです。

 

 「解析要」の場合には、Fタームで解析できる

ようにFタームが付与されていますし、

「解析否」の場合には、Fタームが付与されて

いないため、Fタームでは分析ができません。

 

 つまりは、ある文献に対して、「解析要」

のFIが一つでも付与されると、当該文献に対

して、そのFIが属するテーマのいずれかの

Fタームが付与されるということになります。

 

 これを例で表すと以下のようになっています。

 

f:id:oukajinsugawa:20150925101020j:plain

 

 解析が「要」の場合には、Fタームが上のように

付与されるんですが、じゃあ、「解析要否」は

どこでわかるんだ?というと、パテントマップ

ガイダンス(PMGS)のFIを調べることにより

以下のように、テーマコードへのハイパーリ

ンクの有無でわかります。

 

f:id:oukajinsugawa:20150925101045j:plain

 

 すなわち「解析要」でFタームがあるものは、

ハイパーリンクがついており、そのテーマに

飛べるようになっています。

 

 ちなみに、FIをどのように調べるんだ?

というのは以下のようになります。

 

特許情報プラットフォーム|J-PlatPat

 

f:id:oukajinsugawa:20150925101131j:plain

f:id:oukajinsugawa:20150925101145j:plain

 

 Fタームの1回目の説明のときに、

Fタームリストがあるものとないものが

あるということに簡単に触れましたが、

Fタームリストが存在するテーマのことを

「Fタームテーマ」と言い、今回のように、

「Fタームテーマ」の中でも、テーマ内に

「解析否」のFIが存在するテーマのことを、

「部分Fテーマ」と言います。

 

 「部分Fテーマ」においては、テーマの

「FIカバー範囲」と、Fタームが解析されるFI

(すなわち「解析要」のFI)の範囲が異なるため、

Fタームを用いた検索を行う際には注意が

必要です。

 

 それでは、完全な「Fタームテーマ」と

FIによりFタームが割り振られていない、

「部分Fタームテーマ」ってどこでわかるんだ?

というと、以下でわかるようになっています。

 

http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/themecode.htm

 

f:id:oukajinsugawa:20150925101241j:plain

 

 試しに2Bをクリックすると、2B005が「部分F」

となっていて、「部分Fタームテーマ」である

ことがわかります。

f:id:oukajinsugawa:20150925101328j:plain

 

 ちなみに、「全テーマのテーマコード表」が

エクセル版でダウンロードできるようになって

おり、便利ですので、私はプリントアウトして、

いつでも見ることができるようにしています。

 

 ちなみにちなみにですが、今回の特許分類

検索シリーズを書くのに参考にしている、以下の、

独立行政法人工業所有権情報・研修館

「特許分類の概要とそれらを用いた先行技術

調査~IPC、FI、Fターム編~(平成27年度)」の

一番後ろに、IPCのクラスまでの内訳も載って

いますので、こちらのほうも印刷して手元に

置いておくと、便利です。

 

http://www.inpit.go.jp/content/100640809.pdf

 

 ということで、続く。