知財アナリストのひとりごと

特許情報分析・知財戦略をやさしく解説します

生きイカ輸送、それとも活きイカ輸送?

 イカを生きたたまま輸送するのって、

活魚輸送って言うんでしょうかね?

 

 それとも、活きイカ輸送なんでしょうか?

 

 というのはともかく、この前、テレビで、

「世界が驚いたニッポン!スゴ~イデスネ!!

視察団」というのをやっていました。

 

 これは、いろんなテーマで、海外のプロに

日本の同じ業態を見てもらい、「スンゴイ

デスネー」と言ってもらうという番組なの

ですが、この前は、イカの漁から、輸送、

さきいか工場、料理屋さんなどを取り上げて

いたんです。

 

 ということで、この前、活魚輸送について

書いてみましたので、今回は、「イカ」の

輸送について調べてみましょう。

 

oukajinsugawa.hatenadiary.jp

 

 この前の上のブログでは、「活魚輸送」の

FIの「A01K63/02@A」というのを使って

調べてみましたが、今回は趣向を変えて、

Fタームを使ってみましょう。

 

 先ずは、Fタームではどんなものがあるんだ?

というと、2B104「養殖(自然資源)」というのが

あるんです。

 

 この2B104の上のほうの観点を貼り付けると

以下のようになっています。

 

f:id:oukajinsugawa:20150928153131j:plain

 

 ということですので、対象魚具類はAA13の

「・イカ,タコ類」として、養殖方法BA16「・活魚

輸送」と装置(1)水槽の用途CA09「・活魚輸送

用」で論理積を取り、さらに発明の名称で、

「イカ and 輸送」としてこれらの論理和を取って

絞り込んだ状態で調べてみましょう。

(まじめに仕事で分析する場合には、この方法

では漏れが非常に多いですので、今回は

あくまで、お遊び検索(という名前があるか

どうか知りませんが。たとえば、言葉も「イカ」

だけではだめで、「いか」も「烏賊」も必要

ですが、まあ、お遊びですので、「まあ、

イーカ」ということで)です。) 

 

 そうすると、出願公開で関係するのは21件で、

数が少ないので発明の名称を貼り付けると

以下のようになっています。

 

f:id:oukajinsugawa:20150928153229j:plain

 

 さらに、出願上位は以下となっています。

 

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 企業としては、どんな企業なんだ?というと、

函館製網船具さんは、ウイキによると1998年頃に

破産しているようですね。

 

 株式会社壱番舎さんは、以下が住所や

電話番号が同じですので、現在は名前が

変わって、「長崎食材株式会社」さんなの

かもしれません。

 

http://ikadokoro.com/index.php

 

 この会社は長崎県長崎市にありますが、

何で長崎で「イカ」なの?というと、以下

(イカ?)のように、長崎県は「いか類漁獲

量」が、日本第3位だそうですよ。

 

http://uub.jp/pdr/fi/ika.html

 

 西南自動車工業さんのほうは、本社は

福岡、設立1964年(東京オリンピック

年ですね)、資本金4,000万円、事業

内容は自動車整備や自動車販売、

グループ売上高は45億円、グループ

従業員数は500人だそうです。

 

http://www.seinan-j.co.jp/

 

 とか言ってよく調べると、実はこことは

違って、ホームページは出て来ないのですが、

ホントの活魚車製造の西南自動車さんは、

愛媛県南宇和郡にあるようで、以下のURL

によると、事業内容は活魚輸送製造等、

従業員数が15人だそうですよ。

 

活魚車製造工 - 西南自動車工業株式会社(ID:38040-03506751)のハローワーク求人- 愛媛県南宇和郡愛南町愛媛県南宇和郡愛南町 | ハローワークの求人を検索

 

 企業名っておんなじのが沢山あって

調べるのがむずいですね。

 

 この企業は、活魚の輸送に力を

入れており、、出願を調べると

以下のようになっています。

 

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 それでは、全体では、どんな出願がある

のか、ちょっとだけですが覗いてみましょう。

(ちょっとだけよ!!)

 

・ 特開2010-233488「活きイカの輸送方法及びその輸送装置」

【課題】

   活きイカ輸送での斃死防止には、

水温の保持、イカが排泄するアンモニア

有機物の除去、イカが消費する酸素の

補給が課題である。また、イカは環境

変化に敏感に反応し、ストレスを受け

斃死したり、噛み合うため、その対策も

必要である。

【解決手段】

   上記課題の解決手段として、輸送中の

海水を生理活性を抑制する水温に保持しつつ、

イカが排泄するアンモニアはこれを分解

除去する海水浄化装置で、有機物は泡沫

分離装置にて除去した。消費された酸素は、

水槽中もしくは海水の循環ライン中に酸素

を吹き込んで補給した。

   イカの斃死や噛み合い防止の手段は、

個別収容可能な容器にイカを収容して解決

した。この容器は、1つの容器に1尾もしくは

それ以上のイカを収容できるように、収容区画

サイズを変更する仕切り板を設置する。

この容器内には、海水が万遍なくに流れ、

且つ、容器それ自体が積層可能な構造とする。

 

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・ 特開2006-025613「生きイカの墨抜き方法並びに生きイカの

保存方法及び生きイカの輸送方法」

【課題】 生きているイカの墨袋からイカを

殺さないようにして墨のみを抜き取ることが

でき、しかも生きたイカの墨袋から墨を抜き

取るときに大量の海水を必要とすることがなく、

その後の処理においても問題のない生きイカの

墨抜き方法を提供することにあり、また、

墨を抜いた生きイカの生存方法及び輸送

方法を提供することにある。

【解決手段】 生きイカ1の墨袋2内の墨5を

吸引排出する際に、墨袋2内に塩水4と

空気6を注入し、同塩水4で墨5を薄め

且つ同空気6で墨袋2内の負圧を緩和して

墨5を吸引排出する。

 

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・ 特開平05-091828「生きイカ輸送方法」

【目的】 輸送に際して生きイカをできるだけ

自然な生息環境におき、生きたままでの

長時間の輸送が可能となるようにすることに

ある。

【構成】 生きイカを、自然環境における酸素

供給状態、雰囲気温度、雰囲気圧力下で、

個々に相互干渉のない状態で収納することに

より、生きイカを安息状態で輸送することを

可能とし、もって多数の生きイカを生きの

良い状態で輸送することを可能とした。

生きイカの収納雰囲気条件に、遮光、海水の

新鮮な海水との交換を加えることにより、

生きイカの生きの良い状態を保っての

輸送を、より安全にかつ確実に達成できる

ようにした。

 

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